メジャー復帰は「驚きだ」 大物バウアーは来季も日本球界でのプレーが濃厚か 米紙が伝えたMLB関係者たちの“リアル評”
DeNAで圧巻の投球を披露したバウアー。その実力は全く錆びついていなかった。(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext
阪神とオリックスによる日本シリーズの開幕が控える日本球界。日本一を争う場では49年ぶりとなる「関西対決」が盛り上がりを見せるなか、DeNAの助っ人トレバー・バウアーの去就も注目を集めている。
20年にメジャーリーグでサイ・ヤング賞を手にした実力は色褪せていなかった。今年3月にDeNAと電撃契約を締結したバウアーは1軍で19試合に先発。故障離脱を余儀なくされる時期もあったが、10勝を挙げると、防御率2.76、WHIP1.15、QS率78.95%と上々のスタッツを記録。大車輪の働きを見せた。
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異彩を放った右腕だが、すでにDeNAとの単年契約は満了。今後については白紙の状態で、複数メディアはソフトバンクが調査に乗り出しての争奪戦が起こっていると報道している。今後は残留を含めた交渉が白熱していくのは必至だ。
そうしたなかで、米メディアでは本人が望んでいるという「メジャー復帰」が厳しいという見解が示されている。ロサンゼルスの地元紙『Los Angeles Times』は「再びメジャーを目指すバウアーと契約をするチームはあるのか?」とセンセーショナルな見出しを打ち、32歳の現状を伝えた。
まず、同紙は「解雇された後にドジャースが年俸を負担することになっていたにもかかわらず、他のメジャーチームは、どこも彼と契約しなかった」と指摘。2021年に知人女性に対するDV禁止規定違反でメジャーリーグ機構から324試合の長期の出場停止処分(その後、処分は194試合に短縮)を受けたバウアーが、今年1月のドジャースとの契約解除後も、米球界で総スカンを受けていた昨オフの動向を回想し、こう切り込んでいる。
「定期的に6回、7回を投げられる先発ピッチャーが、実質的に絶滅状態に近い時代で、1月に33歳となるバウアーは、メジャーリーグのオーナーたちに自身を売り込むことができる。どこかのチームが彼と契約するだろうか?」
バウアーは現地10月3日に性的暴行の疑いで訴えられていたリンジー・ヒル氏と和解。すでに身辺の問題は整理がついている状態ではある。それでも米球界内での評価は芳しくないという。同紙の取材に匿名で応じた元オーナーは「どこかのオーナーが本当に勝ちたいとなってもバウアーを獲得するとは考えられない。(NFLレイダース元オーナーの)アル・デイビス氏、もしくは、そのような人物でなければそうならない」と、伝説の大物オーナーを引き合いに強調した。
さらに「彼との契約に興味を持つGMは、球団オーナーからの承認が必要になる」とした元球団社長も「バウアーがメジャー球団と契約することになれば驚きだ」とやはり“復帰”に懸念を示した。
「契約のチャンスは比較的小さいだろう。場所がどこであれ、彼はファンからの抵抗が大きいと思う。チームは、ブランドや、価値、特徴を猛烈に守ろうとする。獲得しようとしている選手がそれに見合った選手だろうか」
関係者への取材をまとめた同紙は「日本での時間を楽しみ、再び日本で投げることを排除していないが、バウアー自身はメジャーに戻りたがっていると考えられている」と本人の意思を強調。そのうえで「解雇から1年が過ぎ、彼のメジャーリーグのキャリアについて明らかになるときが間もなくやって来るだろう」と結んでいる。
金銭面よりもデータ分析が整った環境と、YouTube撮影やSNSでの発信に対する配慮などの自由な待遇を重要視していると見られるバウアー。はたして、大物右腕はどのような決断を下すのか。『Los Angeles Times』の情報を鵜呑みにすれば、来季も日本球界でのプレーが濃厚なようにも思えるが……。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]