愛知県の食文化といえば「みそ」であり、おでんにみそカツ、とにかく多くのみそグルメが存在しています。よって他県から訪れ、みその洗礼を受けた人たちからは、愛知グルメ=「みその暴力」と呼ばれてしまうことも……。それくらい、なんでもみそをあわせてしまうのがこの地域の特徴です。

 なかでも「みそ煮込み」は代表選手とも言えるメニューですが、それを「ラーメン化」した新メニューが、名古屋で人気のラーメンチェーン「スガキヤ」より10月26日に全店販売(一部店舗をのぞく)されています。その名も「みそ煮込風ラーメン」(580円)。

【その他の画像・さらに詳しい元の記事はこちら】

 スガキヤが「みそ煮込み」?はたしてどんな味なのか?元名古屋人である筆者が食べてみます。

■ スガキヤといえば

 「スガキヤ」は、名古屋に本社を持つスガキコシステムズ株式会社が経営するラーメンチェーン。地元の人気タレント「宮地佑紀生」も「名古屋といえば”スガキヤラーメン”」という歌を歌っているほど愛されています。

 そんな「スガキヤ」がご当地グルメの「みそ煮込み」をラーメンにする、というのは当然といえば当然の流れなのですが、白濁スープの「スガキヤラーメン」に慣れ親しんだ人々にとっては驚愕もの。

 とはいえ、実はスガキコのグループ会社「寿がきや食品」のロングセラー商品に「即席みそ煮込うどん」(1966年発売)というものがあります。よって、“スガキヤ”が出すと驚くけれども、冷静に考えると「なるほどな」と納得することもできる商品なのです。

 ちなみに「みそ煮込風ラーメン」は、9月7日より一部店舗で販売されていました。10月26日に満を持しての全店販売が行われたわけですが、恐らくテスト販売期間の好評を受けてのことでしょう。結果、全店での取り扱いに切り替わったと思われます。飲食業界ではよくあるはなしで、新商品を一部店舗で販売し、売れ行きの度合いをみて全店に切り替える、というパターンかと。

 そんな豆知識はおいといて、全店販売初日に「スガキヤ」に行ってきました。

 到着した店舗の前にはどどーんと、新商品を知らせる掲示が。そして黒い……。みそ煮込みだから当然といえば当然ですが、普段みなれたスガキヤラーメンの和風とんこつの白いスープとは全くの別ものであることがわかります。

■ これが「みそ煮込風ラーメン」

 注文してすぐに出てきた「みそ煮込風ラーメン」……どこからどう見ても「みそ煮込み」です。ただし麺は「ラーメン」。普段はうどんで食べ慣れているので、これがラーメンの麺となるとどうなるのか?その辺非常に気になります。

 具材は、通常の「みそ煮込みうどん」の場合、「たまご・ねぎ・かまぼこ・鶏もも肉・油揚げ・ニンジン・しいたけ」などが主流。

 一方スガキヤの「みそ煮込風ラーメン」には、「油揚げ」、そしてもちろん「たまご」も入っています。ただし「鶏もも肉」は入っていない模様……。「かまぼこ」は入っていました。

 麺は「みそ煮込みうどん」に寄せたのか、通常販売しているラーメンの麺よりも幅が広い中太平打麺。なるほどこれなら、みそ煮込みの汁が絡みやすいはずです。

■ たべてみる

 ではさっそく食べて行きます。

 まずは「たまご」を崩すと中からとろりとした黄身が出てきました。半熟たまごだけれども温泉卵寄りなゆで加減のようです。これを麺に絡めて食べるというわけですね。

 そしてついに一すすり。うん。この赤味噌仕立て、まさに「みそ煮込み」。比較していいのかわかりませんが、寿がきやの「即席みそ煮込うどん」のスープにも良く似ています。ただし店舗で出されているものなので、みそ独特のコクのあるスープが鼻にぬけ、中太平打麺がそれをうまく吸収する感じは実にフレッシュ。噛めば噛むほどみ旨味も感じられます。

 本来の「みそ煮込みうどん」は、「生うどん」を使っているところが多く、めちゃくちゃ硬いわけですが、こちらの「みそ煮込風ラーメン」のほうは、柔らかい麺です。

 ですので、子どもも安心して食べられる、万人うけしそうなラーメンに仕上がっていました。元名古屋人である筆者も納得の味わい。

 そういえば、「みそ」といえば北海道の「みそラーメン」を思い浮かべますが、同じみそでも、スガキヤの「みそ煮込風ラーメン」は全く味が異なります。使われているみそ自体が「豆味噌を100%使用した赤味噌」とのことですから。

 したがって、初めて食べる方は全く別の料理と考えたほうがいいかもしれません。ホワイトソースとデミグラスソースほどの差があります。

 「みそ煮込風ラーメン」は「スガキヤ」全店(254店舗/一部店舗をのぞく)にて10月26日より販売。もし「スガキヤ」をみつけたら、この時期真っ先に頼んでみてください。

<参考>
すがきや「みそ煮込風ラーメン」

(たまちゃん)