2度目の来日で進化遂げた要因 西武助っ人が熟知する“日米の大きな差”「横が長い」
日本のストライクゾーンは「横長で内・外角が広い」
2022年はDeNAでプレーし、2023年はシーズン途中から西武に加入したブルックス・クリスキー投手。8月23日に1軍合流を果たした後、11試合5セーブ1ホールド、防御率2.45の好成績をマークしている(21日現在)。DeNA時代以上に持ち味を発揮しているように見えるが、Full-Countのインタビューに進化の要因を明かしてくれた。
今年の来日前はMLBのロイヤルズに所属し、メジャーでも4試合に登板した。「昨年の経験があったので、あらかじめ日本の野球に対して理解がありました。実際にアジャストできていると思います」とうなずく。「アメリカで1つ1つの球種を磨いてきたので、自信を持って日本に来ることができました」と続ける。
ポイントの1つは、武器であるスプリットの使い方だ。「昨年、日本の野球に合わせてスプリットを多く使い、ある程度通用するという自信を得ました。アメリカに戻った後には、(スプリットを)空振りを取るだけでなく、ストライクゾーンに投げてカウントを稼ぐ球としても使える感覚が生まれました。お陰で他の球種を含め、ゾーン内で攻撃的な投球ができるようになったと思います」と説明する。
日米のストライクゾーンの違いも、昨年の経験で熟知しており、西武に来てから戸惑うことはなかった。「アメリカのストライクゾーンは縦長で、高低が広い。日本は逆に横長で、内・外角が広い」というのがクリスキーの実感だ。その分「アメリカでは、よりホームプレートの真ん中へ向かって投げなければならなかった」が、日本では横の変化を含めて内・外角を広く使った投球が可能になる。「私に内・外角をしっかり使えるコントロールがあるかどうかは微妙なところですが、日本にはそこをうまく使っている投手がたくさんいますね」と苦笑する。
今季初登板となった8月23日・オリックス戦(ベルーナドーム)から9試合連続無失点。17日のロッテ戦(同)で初めて失点したが、首脳陣の信頼は厚い。研究心旺盛で、日米の野球の違いを肌で感じながら、より良い投球スタイルを模索し続けるクリスキー。2度目の日本で、さらなる進化を遂げつつある。(倉林知子 / Tomoko Kurabayashi)