マンチェスター・ユナイテッドのFWウェイン・ルーニーが不調にあえいでいる。昨シーズンの終盤に骨折の重傷を負い、決死のリハビリで出場したドイツ・ワールドカップでも、ノーゴールでイングランド代表の勝利に貢献できなかった。そして、開幕戦の2得点で好スタートを切った今シーズンも、その後は出場停止とケガが重なり、本調子には程遠い状態だ。

 しかし、マンUの前線で20歳のFWとコンビを組むフランス代表のFWルイ・サハは、その存在感の大きさに最大限の評価を与えているようだ。

「ウェインは、僕の中でティエリ・アンリと同列に並ぶ存在だ。ウェインの場合は、いくらアシストで試合に貢献しても、ゴールが途切れると、『不調』って書き立てられてしまう。でも、僕は経験から分かるんだ。彼は、動くだけで対戦相手に脅威を与える存在だってことをね。それに、彼の才能は誰もが認めているだろ? 本調子に戻れば、影響力はもっと大きくなるよ」

 しかし、現時点でルーニーが本調子でないことこそ、アレックス・ファーガソン監督の頭痛の種だ。23日のレディング戦も、“悪童”の復活弾はお預けで、1−1の引き分けに終わっている。それでも老将には、復調の兆しが見えているようだ。

「今日のウェインはかなりよかった。動きもシャープになってきたしね。ただ、終了15分前から、徐々に疲れが見えはじめるようだな。まぁ、ゴールさえ決まれば問題ないだろう。試合をこなせば、調子は自然と戻ってくる。とにかく、まだまだ試合数が足りないな」

 攻撃の軸として、チームの絶大な信頼を集めるルーニー。ミッドウィークにはチャンピオンズ・リーグのベンフィカ戦を控えており、連戦をきっかけに試合勘を取り戻す可能性は十分にある。10月にはEURO2008予選の2試合も待ち受けているだけに、イングランド・フットボール界の期待を双肩に担うエースの完全復活が待たれるところだ。