2023年8月8日、ハワイのマウイ島で山火事が発生し、13日時点で93人もの死亡が確認されました。この山火事に遭遇した家族が、iPhoneの衛星通信を用いた緊急SOS機能により命を救われたと報じられています。

Family rescued in Maui thanks to iPhone's satellite feature

https://9to5mac.com/2023/08/09/family-rescued-wildfires-maui-iphone-satellite/



Appleは2022年に登場したiPhone 14シリーズから、衛星通信を利用した緊急SOS機能を導入しました。これにより、ユーザーはモバイルネットワーク接続が不可能な地域であっても、緊急サービスに連絡することが可能です。この衛星通信を利用した緊急SOS機能により、マウイ島で発生した山火事から家族が救出されるという出来事が報告されています。

ベンチャーキャピタルのHannah Greyで働くマイケル・J・ミラフロール氏は、自身の家族がマウイ島の山火事に巻き込まれたものの、iPhone 14の衛星緊急SOS機能で命の危機を救われたことを報告しました。

同氏はXで、「私の兄とガールフレンド、そしていとことその家族は、マウイ島で突然山火事に巻き込まれ、炎が車を取り囲んでしまいました。携帯電話サービスは圏外だったため、Appleの緊急SOS機能が緊急サービスに連絡を取る唯一の方法でした。文字通り、この機能が彼らの命を救いました」と投稿しています。





Apple関連メディアの9to5Macによると、ミラフロール氏の親族たちは白色のバンに5人で乗っていたところ、山火事に遭遇したそうです。しかし、この地域では携帯電話のモバイルネットワークが圏外であったため、誰も外部に助けを求めることができなかった模様。しかし、幸運なことにバンに乗っていた中のひとりがiPhone 14を持っていたため、緊急サービスへ通報することができたそうです。

iPhoneの緊急SOSは、iPhone 8以降の端末の場合はサイドボタンと音量ボタンのいずれかを同時に数秒間押し続け、その後、画面中央にある「緊急SOS」を右方向にスワイプすることで利用可能。iPhone 7以前の端末の場合、サイドボタンあるいはトップボタンを素早く5回連続で押し、表示される「緊急SOS」を右方向にスワイプすればOKです。



iPhoneが衛星通信に接続するまで状況についていくつかの質問が行われ、これに回答するには数分かかる可能性があるとのこと。その後、すべての情報が中継センターに送信され、そこで専門家がユーザーに代わって緊急サービスに助けを求めることとなるそうです。記録全体をユーザーの緊急連絡先と共有することも可能で、今回のケースではまさにそれが起こった模様。

実際、ミラフロール氏のXでの投稿に添付されているスクリーンショットでは、情報がどのように中継センターに送信されたのかがよくわかります。なお、ミラフロール氏の親族は救助要請から約30分ほどで山火事から救出してもらうことに成功しています。

iPhone 14の衛星通信を利用した緊急SOS機能は、捜索救助隊から「ゲームチェンジャー」と呼ばれ、多くのヘリコプター救助にも貢献していると報じられています。

なお、衛星通信を利用した緊急SOS機能は記事作成時点ではアメリカ、カナダ、イギリス、フランス、ドイツ、アイルランド、オーストリア、ベルギー、イタリア、ルクセンブルク、オランダ、ポルトガルといった国と地域で利用可能です。