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2006年3月にメジャーデビューを果たしたいきものがかりが『NARUTO-ナルト- 疾風伝』のオープニングを「ブルーバード」で飾ったのは2008年のことだった。物語は「守護忍十二士編」へと突入。木ノ葉の里が暁によって追い込まれていく、未来に霧が掛かるような状況を吹き飛ばすような軽快なサウンドながらどこか切なさも滲ませる1曲で物語に視聴者を引き込んだ彼ら。

「ホタルノヒカリ」でもタッグを組んでから12年。満を持してナルトの息子・ボルトの物語に向けて「BAKU」を制作したいきものがかりが、「NARUTO THE LIVE」に登場する。アニメに向ける想いやライブへの意気込みを聞いた。

INTERVIEW & TEXT BY えびさわなち

「素敵なご縁に感謝しています」



――いきものがかりが『NARUTO-ナルト-』(以下、NARUTO)と初タッグを組んだのが2008年のことでした。それよりも5年前から放送を開始していたのがこのアニメです。そんなアニメ放送20周年を迎えた『NARUTO』へメッセージをお願いします。

水野良樹 20周年おめでとうございます。今や世界中に届いた歴史的な作品の歩みに、自分たちも主題歌として関わることができて光栄です。

吉岡聖恵 20周年おめでとうございます!日本だけに留まらず、海外の皆さんの心をも掴んで離さない魅力とパワーのある作品に関わらせていただき、光栄に思っております。



――そんな『NARUTO』という作品に対して、タイアップでタッグを組む以前にはどのような印象をお持ちでしたか?また、主題歌を担当されてからはどのような想いを抱かれていますか?

水野 まさにジャンプの王道をいく作品のように感じていました。初めて「ブルーバード」で参加したときには、もうすでに、ほかのアーティストの皆さんのパワフルな主題歌がいくつも発表されていて。当時、(いきものがかりの楽曲は)バラードが多かったせいもあって、攻撃的で、刹那的な楽曲を作れるんじゃないかと思ってワクワクしました。

吉岡 「忍者」の世界が描かれているというのは日本人としてワクワクしますし、ナルトの明るいキャラクターに心惹かれていました。主題歌を担当させていただくことになり生まれた「ブルーバード」は、今では自分達のライブの定番曲になっていて、自分達にとってもとても大切な曲です。『NARUTO』という作品があるからこそ生まれた曲なので、素敵なご縁に感謝しています。



――「ブルーバード」が『NARUTO-ナルト- 疾風伝』のOPテーマとなったのは16年前のことでした。初めてこの作品と関わられたときの思い出をお聞かせください。

水野 当時は僕たちもまだデビュー3年目で、めちゃくちゃに忙しくて。『NARUTO』の主題歌のチャンスをいただけたという話をスタッフの方から聞いて、急いでスタジオに入ったのを覚えています。もう無我夢中でデモを作って、レコード会社の会議室でみんなに聞かせたんですが、そのときはまだタイトルや歌詞を考えついてなくて。「仮タイトルでいいから名前つけろ」ってスタッフさんに言われて。ぱっと横をみたら窓の外に開業してまもない東京ミッドタウンの建物が見えて、「ああ…じゃあ“ミッドタウン”で」と。もしかしたら、あの曲は「ミッドタウン」になっていたかもしれません(笑)。それだったら売れてなかったかな(笑)。

吉岡 自分達自身、『NARUTO』との出会いから、疾走感のある曲を作れたことにワクワクしていました。「ブルーバード」のミュージックビデオも、それまでとは違った疾走感やクールさのあるものになったと思います。グループとしても新たな面を出せた気がして、新鮮な気持ちでこの曲を歌っていました。

――翌2009年には「ホタルノヒカリ」が『NARUTO-ナルト- 疾風伝』のOPテーマに。再びタッグを組むこととなりましたが、その制作のときの思い出をお聞かせください。

水野 え!2年続けてやらせてもらえるの?と素直に喜びました。ミュージックビデオを地方の山奥でとったのですが、虫の数がすごくて。照明に虫が集まりすぎて、こわかったなという記憶があります。しかも“ホタル”は集まってくれなかったんです(笑)。

――2年続けて『NARUTO』とのコラボレーションとなりましたが、ことさらに「NARUTOのオープニング」を意識したことはありましたか?

水野 スピード感だったり、和の雰囲気だったり、そういうものは『NARUTO』の世界観にリンクするように、「ブルーバード」でも「ホタルノヒカリ」でも通底するものとして意識したと思います。



――2021年リリースの「BAKU」は『BORUTO-ボルト- NARUTO NEXT GENERATIONS』の主題歌として書き下ろされた1曲です。『NARUTO』作品とのタッグは実に12年ぶり。しかもナルトの息子・ボルトの物語を彩る楽曲です。まずは父親、火影となったナルトに対しての想いとその息子・ボルトの印象をお聞かせください。

水野 12年ぶりで、楽曲を届ける僕らのほうも歳をとっていて(笑)。このタイミングでまたご縁をいただけたことにとても感慨深いものを感じました。かたちは違えど、作品のキャラクターと同じように時を経ていけるなんて、幸せなことだなと思いました。無理やり繋げるわけではないのですが、僕も息子が生まれたので、そこもリンクしたりしました。

――ボルトの物語へ向けて書き下ろされた1曲。制作に向けてどのようなことを考え、どのように形にしていったのか、こだわりや込めた想いも含めて教えてください。

水野 12年前と音楽の中でのスピード感の表現も変わってきていて、細かいフレーズを畳み込むような楽曲にしました。作品のストーリーもシリアスな展開に移行するタイミングだと伺っていたので、緊迫感というか、差し迫ってくるようなヒリヒリ感を、上手く表現できたらいいなと考えていました。

吉岡 『NARUTO』シリーズの「ブルーバード」「ホタルノヒカリ」に比べると、「BAKU」はより、どっしりとした曲になったなと感じています。『NARUTO』シリーズに初めて関わらせていただいてから年月が経ち、自分達も歳を重ねていって。「BAKU」の歌詞には“カクゴハイイデショウカ”というフレーズがあるのですが、自分たち自身も活動を続けていくときにそういった気持ちになることもあるので、曲に自分達を重ね合わせているところはあるなと思っています。



――今回、『NARUTO』の物語を彩ってきた様々なアーティストが集結してのライブとなります。2016年の「ANI-ROCK FES.」でも『NARUTO』を背負ってのステージに上がっておられました。そのときの思い出をお聞かせください。

吉岡 まず、会場のお客さん達の熱気と盛り上がりがすごいですよね。その熱から、『NARUTO』への愛をひしひしと感じました。

――実に『NARUTO』のイベントへの出演は7年ぶり!そんな「NARUTO THE LIVE」への意気込みをお聞かせください。

水野 この作品に関わったことで、日本だけでなく、世界の人々も含めて、たくさんの出会いを経験させてもらいました。海外に旅行に行った友人が「街でブルーバードが流れていた!」と連絡してくれることが、今まで何度あったことか。様々な出会いを与えてくれた『NARUTO』に感謝を込めながら、ステージに立てたらと思います。

吉岡 『NARUTO』・『BORUTO』シリーズの曲を詰め込んでお届けしたいと思っているので、特別なセットリストになると思います。今から楽しみですね。

――「NARUTO THE LIVE」を楽しみにしている皆さんへ、メッセージをお願いします。

水野 皆さんもご存知の通り、スピード感のある楽曲が続きますので、ぜひ最後まで全速力のフルパワーでお付き合いいただければと!よろしくお願いします!

吉岡 会場に集まってくださる皆さんと、全力で楽しんでいきたいと思います!一緒に最高の時間を過ごしましょう!

――今回の連載はリレー形式で、次回掲載アーティストへのメッセージで繋ぎたいと思っています。『NARUTO-ナルト-』の第52話から第64話(中忍試験編)のEDテーマ「ビバ★ロック」を担当されたORANGE RANGEさんへ、楽曲の感想とメッセージをお願いします。

水野 どこか洒脱に力が抜けていて、やんちゃな楽しさがある素敵な楽曲だと思います。自分たちはいつも肩に力が入っちゃうタイプで……。ORANGE RANGEの皆さんとはほかのタイアップでも前後をご一緒したことがあって、それもご縁なのかなと思います。

吉岡 ライブで絶対に盛り上がるだろうなー!と、曲を聴いていてワクワクします!ORANGE RANGEさんは、遊び心を忘れずいつも軽やかに音を楽しんでいる、というイメージがあります。同じ作品に関わらせて頂き、光栄に思っております。

●ライブ情報

アニメ『NARUTO-ナルト-』20周年記念

NARUTO THE LIVE

日時:

9月2日(土) 15:00開場 / 16:00開演

9月3日(日) 14:00開場 / 15:00開演

※開場・開演時間は変更となる可能性がござます。予めご了承ください

会場:幕張メッセ イベントホール

出演アーティスト:

9月2日(土)出演:いきものがかり/KANA-BOON/CHiCO/ハンブレッダーズ/FLOW

9月3日(日)出演:Anly/ORANGE RANGE/KANA-BOON/CHiCO/FLOW

チケット:SOLD OUT

関連リンク



NARUTO THE LIVE

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いきものがかり

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