セリエA第3節の行われた20日、首都ローマのオリンピコ・スタジアムでは優勝候補一角ASローマと優勝候補筆頭インテルが激戦を繰り広げた。今夏の移籍市場、現有戦力の完成度を高めたASローマに対し大型補強を演じたインテル。今節最大の注目カードはチェルシーから獲得したFWエルナン・クレスポ(31)の一発で、インテルが0−1(アウェイ)勝利を飾った。

セリエA復帰を果たしたクレスポが、ラツィオ時代に慣れ親しんだオリンピコで本領を発揮した。序盤から果敢にゴールを狙ったクレスポに前半44分、最大の見せ場が訪れる。DFサネッティからのパスを左サイドで受けると躊躇する事無くエリア内に進入。相手DFメクセスを鋭い切り返しで抜き去り右足一閃、セリエA復帰初ゴールをGKの股下を抜く鮮やかな一発で飾った。勢いに乗るクレスポは後半8分にPKを獲得。相棒イブラヒモビッチに譲ったPKは相手GKに阻まれ追加点は奪えなかったが、虎の子の1点を守ったインテルが貴重な勝ち点「3」を獲得した。

インテルにようやく“らしさ”が戻った。欧州CL対スポルティング・リスボン戦での1−0完封負けに続き、前節対サンプドリア戦は1−1引き分け。不甲斐ない戦いぶりに現地メディアから批判の声が噴出、過剰な報道にマンチーニ監督も頭を抱えた。文句なしのMVPに輝いたクレスポは試合後「サンプドリア戦も試合内容は良かったが結果が伴わなかっただけ。今日はローマ相手に結果を残せて最高だよ。チーム状況?ベンチも含めて悪くない」とコメント、周囲の雑音を完全に封じ込めた。

開幕3連勝はパレルモとACミランの2チーム。だが、スキャンダル判決により「−8」ポイント・スタートのACミランは現在勝ち点「1」。勝ち点を「7」と伸ばしたインテルはメッシーナと並び2位に浮上、首位パレルモを射程距離圏内に捉えた。