池江璃花子【写真:ロイター】

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世界水泳福岡・競泳

 世界水泳福岡(テレビ朝日系で中継)は29日、競泳の女子50メートルバタフライ決勝が行われ、池江璃花子(横浜ゴム)が25秒78の7位だった。2017年大会以来6年ぶりに個人種目で日本代表入り。当時以来の決勝だった。レース後には涙。観客に感謝し「まだまだあきらめずこの先も頑張っていきたい」などと語った。金メダルは24秒77のサラ・ショーストロム(スウェーデン)。

 入場から盛り上がりは最高潮だった。名前をコールされた池江。完全ホームの大声援に微笑み、両手を挙げて応えた。スタートから一番最初に浮き上がる。先頭のサラ・ショーストロムを追った。結果は7位。帰ってきた世界の舞台をかみしめた。プールから上がると、一礼。両手も上げて観客に感謝し、場内は拍手が鳴りやまなかった。

 レース後のインタビューでは涙を見せ、「メダルは狙ってなかったと言っていたが、1%でも可能性あるならメダルは狙いたかった。誰よりも応援されてこの舞台に立てたと思う」と溢れる思いを口にした。気丈にレースを振り返ったが、生観戦した母親の話題になると「母のことを言うと涙が出てきちゃう」と苦笑いし、涙ながらに感謝を告げた。

「(決勝進出で)一番喜んでくれているのは母。『この舞台で泳いでいることに感動したよ』ってメッセージをもらっていた。自分は競技者だから結果を出せないと自分を責める。何が間違いだったんだろうって。でも、意外と応援してくれる人は責めない。決勝に行っただけで凄く喜んでくれる。自分を責めすぎる自分がいる。だけど、後ろではほとんどの人が結果が全てじゃないと言ってくれます。

『池江さんの姿が見られてよかった』『泳いでいるだけで感動した』って言ってくれる。それだけで心の支えになります。だから、今日も楽しんでもらえたんじゃないかな」

 100メートルのバタフライと自由形はともに準決勝までに敗退。それでも女子4×100メートルフリーリレー8位、混合400メートルメドレーリレー7位に入った。今大会は個人4種目、リレーも含めて11レースに出場。「体がしんどい」と漏らしていたが、100メートルバタフライ6位だった17年大会以来6年ぶりに個人種目の日本代表に入り、当時以来の決勝進出を果たしていた。

 この日午前10時47分スタートの50メートル自由形では、25秒27の全体20番手で予選敗退。レース直後から涙を流していた。「レースに出るしんどさを感じた。ちょっとでもレースに行くのが嫌だなって思ってしまった自分がいた。それがレースにつながりました。でも、やっぱり結果を出したいと思っていた」と振り返った。

 19年2月に白血病を公表。過酷な闘病を経て、約1年後にプールに戻ってきた。21年日本選手権は涙の4冠。東京五輪はリレー3種目に出場し、女子4×100メートルメドレーリレーで決勝進出に貢献した。昨年は世界水泳の代表権を得られなかった。今年は4月の日本選手権4冠で代表に返り咲いた。

(THE ANSWER編集部)