アーセナルのアーセン・ベンゲル監督は、今シーズンの開幕ダッシュに失敗した原因に、若手選手の「ワールドカップ疲れ」を挙げた。

 自慢の若手育成術で、チームの若返りを成功させたベンゲル。同時に、セスク・ファブレガス(スペイン代表)、エマヌエル・アデバヨール(トーゴ代表)、フィリップ・センデロス(スイス代表)といった選手がドイツ・ワールドカップの代表メンバーに選出され、各国の主力として戦うまでに成長した。しかし知将は、クラブと代表の“二足の草鞋”が、若手の調整不足につながっていると指摘する。

「ワールドカップでは、アーセナルの若手が数多く出場した。おかげで、彼らのコンディション調整には、かなりの時間をとられた。そして、シーズンが始まったと思ったら、代表戦のクレージーな日程が続いた。今週になって、ようやく一週間全員でトレーニングを行うことができたほどだ。選手には、とにかく自分たちのスタイルを見失わないように、と伝えている」

 一方、日曜日(17日)のマンチェスター・ユナイテッド戦で、ようやく勝点3を手にしたフランス人監督は、アデバヨールの決勝点を演出したセスクを高く評価。さらに、チームの完全復調もアピールした。

「ファブレガスのプレーは傑出していた。試合開始から終了のホイッスルまで、とにかく走り続けていたし、パスも見事だった。試合終了間際にも攻撃参加できるのだから、本当に素晴らしい。ただ、マンU戦では全員がいいプレーをした。メンタル面の強さを証明できたね。試合前には様々な批判があったし、前半にはPKも外してしまった。それでも、そこからの復活が見事だった。チームスピリットを発揮した結果だ」

 開幕4戦目のシーズン初勝利で、序盤の出遅れを何とか修正したベンゲル。チームの屋台骨を支える若手の復調で、ヤング・ガンナーズの巻き返しが始まろうとしている。