悩める大砲アドリアーノ(24)救済に向け19日、クラブが本格的に始動した。今季セリエA優勝候補筆頭インテルだが、欧州CL対スポルティング・リスボン戦(12日)では1−0完封負け、セリエA第2節対サンプドリア戦(16日)では1−1引き分けと足踏み状態が続いている。大型補強を行ったインテルの期待外れの戦いぶりに、現地メディアからは批判の声が噴出し始めた。

重苦しい雰囲気を一層するためクラブ側は“アドリアーノ救済プロジェクト”を発足。昨季後半から続く“インペラトーレ(皇帝)”の復活こそが現状打破に欠かせないと判断、第2監督シニーザ・ミハイロビッチ(37)を中心にサポート体制を徹底すると打ち出した。

ミハイロビッチはアドリアーノ復活への第一歩目として「体重を落とし、より笑顔を見せることが重要」と掲げた。体重オーバーの影響を「俺が00年ユーロ大会に出場したときはベスト体重を5kg超えていた。まるで洗濯機を背負ってプレイしていた気がしたよ」と説明、ベスト体重維持の重要性を訴えた。続けて、過剰報道に調子を崩すエースを「彼はまだ若く、感受性豊かだ」と擁護する一方、「俺には5人子供がいるが、性格はそれぞれ違う。子育てに『これが正しい方法』など存在しない」と持論を展開、“世話係”としての一面も披露した。

第2節のサンプドリア戦で後半33分から出場したアドリアーノ、ネットを揺らすもファウルを取られゴールは認められず。微妙な判定に試合後アドリアーノは「今回も俺の責任か!?」とやりきれない思いを報道陣に吐き捨てていた。現役時代に幾多のトラブルを乗り越えたミハイロビッチが、悩める大砲そして眠れる獅子を復活させる。