「青春18きっぷ」(夏季)の利用が始まりました。JR全線が乗り降り自由ですが、たとえば新幹線は乗れない、自動改札機は通れないなど、ルールや基本について解説します。また、災害による不通区間にも要注意です。

「青春18きっぷ」のキホン

 JR全線の普通列車などが乗り降り自由となる企画乗車券「青春18きっぷ」(夏季)の利用が、本日7月20日(木)から始まりました。期間は9月10日(日)まで、購入は8月31日(木)まで可能です。年齢制限はなく、誰でも使えます。


「青春18きっぷ」では、快速を含むJR全線の普通列車が乗り降り自由となる(画像:芸備線魅力創造プロジェクト)。

「青春18きっぷ」の発売額は1万2050円です(こども同額)。1枚で5日(5回)分まで乗り降り自由となるので、1回分に換算すると2410円。つまり、JR線で運賃が2411円以上かかる駅に行くなら「青春18きっぷ」の方がお得というわけです。

 そもそも普通列車とは、特急や急行ではない、乗車券(運賃)のみで乗れる列車のこと。その多くが各駅停車タイプですが、特急券など別の料金券が不要なら、通過駅のある快速にも乗れます。逆に新幹線や特急列車には、特急券を追加購入しても乗れません。

 普通列車で利用できる座席も、普通車自由席に限られます。普通車自由席とは、グリーン車などのグレードアップ車両ではなく、事前の指定も不要な座席のこと。もしグレードアップ車両を利用したければ、指定席券またはグリーン券の追加購入が必要です。ただしグリーン車“指定席”は、グリーン券を追加購入しても乗れません。

「青春18きっぷ」はJR駅の指定席券売機や「みどりの窓口」、主な旅行会社などで販売されています。指定席券売機なら「おトクなきっぷ」をタップ、窓口なら「青春18きっぷ」を購入したい旨を伝えて代金を払うだけです。列車内では購入できず、また自動改札機は通せません。

 ちなみに、無人駅から使い始める場合は事前に購入しておく必要があるほか、初めに乗った列車内で車掌(ワンマン列車ならば運転士)から日付印を押してもらいます。

災害による不通区間に注意!

「青春18きっぷ」の券面を見ると、スタンプを押すスペースが5回分用意されています。改札などで駅係員に日付印を押してもらうと、その日1日利用できるわけです。つまり期間内なら、1人が5日連続(5回分)や、日を飛び飛びにしても使えます。もしくは、全員が同じ行程なら、同じ日に複数人で使うことも可能です。たとえば5人グループが5回分を一度に使い、日帰り旅行をするというケースが考えられます。

 今まで列車の説明をしてきましたが、JR東日本のバス高速輸送システム(BRT)と、JR西日本宮島フェリーも利用できます。


「青春18きっぷ」の券面。値段は現在と異なっている(乗りものニュース編集部所蔵)。

 ところで災害の影響により、日本各地の在来線には不通となっている区間があります。7月20日現在の状況は以下の通りです。

●JR北海道
・根室本線:東鹿越〜新得

●JR東日本
・奥羽本線:大曲〜秋田、大館〜弘前
・五能線:能代〜深浦
・津軽線:蟹田〜三厩
・陸羽西線:新庄〜余目
・米坂線:今泉〜坂町

●JR西日本
・越美北線:美山〜九頭竜湖(7月29日全線再開予定)
・山陰本線:長門市〜小串
・芸備線:備後落合〜東城(7月下旬ころ運転再開)
・美祢線:全線

●JR九州
・日田彦山線:添田〜夜明
・肥薩線:八代〜吉松

 一部では代行バスなどが運行されており、「青春18きっぷ」でも原則は利用できますが、通勤・通学客が優先される場合があります。なお九州の久大本線は、本日始発より全線で運転を再開しました。