「ゴールデンレトリバー」誕生155周年! どんどん独特になる人間との関係
7月10日、数百匹のゴールデンレトリバーが世界中から英国のスコットランドに集まり、同犬種の誕生155周年を祝いました。参加者は米国、カナダ、ニュージーランド、日本を含む12か国から駆けつけたとのこと。
ゴールデンレトリバーは1868年、スコットランド北部のグレンアフリックにあるグイシャカンハウス(Guisachan House)で狩猟犬として生まれました。レトリバーは「射止めた獲物をくわえて戻るように訓練されたイヌ」という意味。ブラッド・ハウンドと金色の毛色を持つ犬種を混血してつくられたとされています(参考:ブリタニカ国際大百科事典)。
The Scotsmanの記事(2023年6月23日付け)によると、英国における犬の人気ランキングは以下の通り。
1: ラブラドールレトリバー
2: フレンチブルドッグ
3: コッカースパニエル
4: ブルドッグ
5: ダックスフンド
6: イングリッシュスプリンガースパニエル
7: ゴールデンレトリバー
8: ジャーマンシェパード
9: スタッフォードシャーブルテリア
10: パグ
ゴールデンレトリバーは7位ですが、人気のある大型犬であることは間違いないでしょう。
155年の間に変わったことといえば、人間のペットに対する見方が挙げられるかもしれません。YouGovが2022年に行なった調査によると、犬を飼っている英国人1012人のうち自分を「オーナー(Owner)」と考えている人は最多の48%でした。次に多かったのが「親(ペアレント)」で37%。「親友(Best friend)」は28%で、「友達(Friend)」は19%。「Master(マスター)」は8%でした。YouGovのデータジャーナリストは、近年では親という考え方が増えている一方(特に犬を飼っている30代で顕著)、マスターはすっかり廃れたようだと述べています。
日本と同じように、英国でもペットの家族化が進行しているのかもしれません。人間と動物の交流を研究するある文化人類学者によれば、私たちは、人間の子どもやペットであれ、感覚のある他者を育てるために進化してきたとのこと。子どもの代わりにペットを飼う夫婦が増えたように、今日では「誰を・いつ育てるのか?」はかなり自由に考えることができます。これまで人類の歴史において、人間は全く異なる種の動物ではなく、人間自身の子どもを育てることに力を入れてきましたが、昨今では歴史的に「独特な」ことが起きているようです。
【主な参考記事】
UPI. Hundreds of golden retrievers gather in Scotland for breed’s anniversary. July 14 2023
The Scotsman. Britain’s Most Popular Dogs: Here are the 24 most popular breeds of dog according to the UK Kennel Club - from Frenchie to loving Labrador. June 23 2023
YouGov. Cat mums and dog dads: around one in three consider themselves their pet’s “parent”. May 6 2022
Shelly Volsche. New research suggests cat and dog ‘moms’ and ‘dads’ really are parenting their pets - here’s the evolutionary explanation why. The Conversation. October 28 2021