日本最長18kmの首都高「山手トンネル」では、夏の期間中、トンネル内でミストを噴射する取り組みを行っています。トンネル内温度を抑制するためですが、どれほど効果があるのでしょうか。

夏は山手トンネル上部から水蒸気が

 日本最長18kmの道路トンネルである首都高C2中央環状線の「山手トンネル」。ここを夏場に通ると、上部からシュワシュワと、水蒸気が噴出していることがあります。


山手トンネル。上方の照明近くからミストを連続的に噴霧している(ドラレコ画像)。

 実は山手トンネルでは夏場、内部でミストを噴射しているのです。理由はトンネル内部温度の抑制のためですが、そもそもどれくらいトンネル内部は暑いのでしょうか。

 首都高速道路によると、外気温35度を超える日には、トンネル内部で40度を超えることもあるといいます。

 トンネルといえば、どちらかというとヒンヤリしているイメージもあるかもしれませんが、山手トンネルは違います。全長が長いうえ、交通量が極めて多いため、渋滞が発生するJCT部などを中心に、外気温と走行車両の排熱による影響で温度が上昇するのだとか。

 そのため、ミスト噴霧装置は渋滞しやすい西新宿JCTや大橋JCTの接続部や、トンネル出入口付近の区間を中心として約11km(内・外回り合計)に渡って設置されており、35度を越えた時点で自動的にミストが吹き出すようにも設定されているそうです。

 これは、水の気化熱を利用してトンネル内部の温度を下げる仕組みです。吹き出し口は路面から3.8m以上の高さにあるため、噴霧された水はトンネル上部で気化し、通行の妨げにならないといいます。

 ミスト噴霧とトンネル内換気システムの運転とを合わせて、マイナス5度程度の温度抑制効果を確認しているそう。

 それでも、やはりライダーにとっては、夏場の山手トンネルの暑さ、特に渋滞時は相当キツイという声も多くあります。山手トンネル前後区間の道路情報板では、夏場になると「高温注意」との警告もなされます。

 ちなみに首都高ではK7横浜北線の横浜北トンネル(約6000m)でもミスト噴霧を導入しています。