メルカバ主力戦車の初輸出先はキプロスとモロッコで決定か? しかしまだ解決すべき問題も
ほぼこの2か国で確定?
実現すればメルカバ戦車としては初の輸出
主力戦車「メルカバ」輸出に向けてイスラエルが現在交渉中の2か国が、キプロスとモロッコでほぼ確定したと2023年7月初旬から、イスラエルや海外の防衛系メディアで報じられています。
メルカバ戦車(画像:イスラエル国防省)。
事の発端は、2023年6月中旬、イスラエル防衛省のヤイール・コレス氏が倉庫に眠っている200両以上の「メルカバ」Mk2とMk3の売却交渉を進めていると明かした発言からでした。
この2か国については当初は明言されず、「名前は言えないが、そのうちの1つはヨーロッパ大陸にある」という発言のみでした。
その後、6月下旬にキプロスがメルカバの購入ついてイスラエルと協議を行っているとイスラエルメディアが報道します。同国は、ロシア製のT-80戦車を保有していますが、同車両をウクライナへ供与する計画を立てており、それを「メルカバ」と置き換えるというものです。
モロッコに関しては2023年7月6日に、コレス氏が国名を明らかにしました。同国は領土問題などを巡り対立関係にある、隣国アルジェリアへの備えのため、ベラルーシから購入したT-72B戦車の置き換えを目指しています。
2か国との交渉は早ければ3か月以内に終了すると見られており、実現すればメルカバシリーズとしては初の海外輸出になります。しかし、エンジンがアメリカ製のため、最終的な輸出の決定にはアメリカの許可が必要となっており、今後はアメリカの動向に注目が集まります。