GetNavi webでは気になるメーカーの最新高機能ドラム式洗濯乾燥機を連続レビュー。

 

第2回となる今回は、東芝ライフスタイルのドラム式洗濯乾燥機のフラッグシップモデルZABOON「TW-127XP2」をレビューします。東芝のドラム式洗濯乾燥機といえば、従来から基本性能の高さが人気の製品。そして上位モデルの特徴は、なんといっても洗濯水に「ウルトラファインバブル」と「マイクロバブル」を利用していることでしょう。今回は使い勝手はもちろん、気になる汚れ落ちにも注目して、約1か月試用してみました。

第1回目:【日立】1か月メンテナンスフリーって本当なの!? 気になる日立の最新ドラム式洗濯乾燥機をレビュー

 

↑東芝のZABOONシリーズ最上位機種「TW-127XP2」。洗濯機ではあまり見ない深みのあるボルドーブラウンカラーがオシャレ!

 

まずは基本性能をチェック。使うとわかる「大きい」は正義!

TW-127XP2の洗濯容量は12kg、乾燥容量は7kgとなっています。洗濯容量12kgサイズの場合、乾燥容量は6kg以下という製品が多いなか、7kg乾燥はかなり嬉しいポイントです。今まで2回にわけて洗濯・乾燥していた衣類も一度の洗濯ですべて処理可能。我が家では大物のカーテンや寝具も迷わず乾燥できるようになりました。

 

ただし、大容量だけに本体サイズは幅645×奥行720×高さ1060mmと、最新ドラム式洗濯機のなかではやや大き目。設置場所と搬入経路は要チェックです。

↑乾燥容量目安の最大位置まで衣類を入れたところ約6.2kgでした。槽内をライトアップする機能が個人的にお気に入り。洗濯中に液晶画面に触れても庫内ライトが点灯します

 

↑最上位機種なので、もちろん液体洗剤・柔軟剤の自動投入機能やスマホ連動機能も搭載しています

 

操作は液晶タッチパネル式を採用。筆者は家電ライターという職業上、さまざまなメーカーのドラム式洗濯乾燥機をチェックしていますが、個人的な印象では液晶操作のわかりやすさはこのTW-127XP2がトップクラスです。わかりやすさのポイントは2つ。ひとつが現在選択中のモードが、背景色でわかるようになっていること。

↑「洗濯のみ」「洗濯・乾燥」どちらにも「標準」や「念入り」といったサブメニューがあるので、現在どの運転モードがわからなくなることも。本製品は「洗濯のみ」では青、「洗濯・乾燥」では緑、「乾燥のみ」ではオレンジの背景になり、間違うことがありません

 

もうひとつが、詳細なコースの説明をしてくれる「ポイント」機能の搭載。高機能洗濯機は数多くの洗濯モードを搭載していますが、TW-127XP2は画面右上に「ポイント」ボタンを表示。画面ごとにモードの説明を表示できます。モードによっては使用できる洗剤の種類なども説明があり、取扱説明書をチェックする面倒がありません。これが意外なほど便利! 正直、液晶画面の全洗濯機に搭載してほしい機能です。

↑○kgまでの洗濯ができるコースでは、そもそも衣類○kgってどれくらい? という基本的な疑問まで解決してくれます

 

ウルトラファインバブルの実力やいかに?

ここからは実際に洗濯の実力をチェックしていきましょう。まずは綿100%のガーゼに各種の汚れをつけたもので洗濯力をチェックします。テストでは約6kg強の衣類とともに家庭で一番利用されるであろう「標準」と「念入り」モードで洗濯・乾燥しました。東芝のZABOONシリーズといえば、目に見えないほど極小の泡「ウルトラファインバブル」を水に溶かしこむことで、洗剤の洗浄効果を高めているのが特徴。実際の洗浄力はどのようなものでしょうか。

↑汚れのついたガーゼ。汚れの種類は左上からしょうゆ、トマトケチャップ、墨汁、左下から口紅、油性ボールペン、ブルーベリージャム。付着させて一週間放置したもので検証します

 

洗濯結果は以下の通り。標準洗いでも1週間放置したしょうゆやケチャップ汚れはしっかり落ちています。念入り洗いだと油性のボールペンもしっかりキレイ。ブルーベリージャムもほとんど見えなくなりました。ちなみに、墨汁汚れは基本的にどの洗濯機でも落ちないのですが、念入り洗いだと薄くなっているのがわかります。いずれも落とすのが難しい汚れだけに、なかなか優秀な結果です。今回は常温で洗濯しましたが、本製品は60℃までの温水洗いもできるので、60℃洗いならさらに高い汚れ落ちが期待できます。

↑左が「標準」右が「念入り」で洗濯乾燥したもの

 

注目したいのがガーゼ本体の色。じつは、ドラム洗濯機はタテ型洗濯機より少量の水で洗濯するため、衣類の色移りがしやすいという問題があります。ここまでべったりと口紅や色の濃いジャムなどを洗濯すると、ほかの洗濯機ではガーゼ全体がうっすらとピンク色に染まりがち。ですがTW-127XP2で洗ったガーゼは色戻りがほぼ見られませんでした。

 

TW-127XP2はZABOONの特徴であるウルトラファインバブル以外に、もう少し大きな極小泡「マイクロバブル」を同時に発生しています。このマイクロバブルは落とした汚れの再付着を抑えるそう。今回ガーゼに色がつかなかったのも、このマイクロバブルのおかげかもしれません。一般的に色の濃い服は白い服と別に洗濯することを推奨されますが、TW-127XP2なら間違えて色物を洗っても色移りしにくいかもしれません(※色移りしないことを保証するものではありません)。

 

ヒートポンプでふんわり・しっとり、白いタオルは白く

ドラム式洗濯乾燥機といえば乾燥能力も重要です。TW-127XP2は、ヒートポンプを使った乾燥なので比較的低温で乾燥して衣類の傷みを抑えます。また、電気代も一般的なヒーター式の半分以下。乾燥の違いがわかりやすいタオルを洗濯・乾燥すると、乾燥後のタオルはパイルが立ってふんわり! 手で触ってみると湿気ているわけではないのに、しっとりとした柔らかな質感でした。試しに縦型洗濯機で15回洗濯して天日干ししたタオルと、TW-127XP2で15回洗濯乾燥したタオルを比べてみました。TW-127XP2で洗濯乾燥したものはフンワリと膨らんで柔らかいのが写真でもわかります。

↑左が縦型洗濯機で洗濯したタオル、右がTW-127XP2で洗濯・乾燥したもの。同型番のタオルなのに、見た目がまったく違います

 

ちなみに、このテストはタオルのフワフワ度を確認するためのものだったのですが、驚いたのが色の違いです。テストのために新品の同タオルを2枚購入して15回洗濯後、個別にみると「どちらも白いタオルだな」と思うものの、並べるとTW-127XP2のほうが明らかに「白い」のです。これも前述したマイクロバブルの「汚れの再付着を防ぐ」力かもしれません。もしかして見慣れている自宅の白いタオルも、じつは薄黒くなっているのかもしれませんね。

 

↑写真だと少しわかりにくいのですが、目視だと左側ははっきりと「薄灰」とわかる色です。パイルの立ち方もまったく違います

 

ところで、最初に7kgまで洗濯・乾燥できると説明しましたが、7kgで乾燥すると衣類にシワがつくことは否めません。このため、我が家では7kgで洗濯するものはタオルやジャージなどのシワになりにくい衣類や、アイロンをかけることがわかっている衣類のみ。ちなみに、2kgならシャツもあまりシワにならず、そのまま着ることができました。

↑7kgで乾燥したシャツ(画像左)と2kgで乾燥したシャツ(画像右)。白いシャツはシワになりやすい綿100%のもの。灰色のシャツはノンアイロンタイプのシャツ。2kg以下なら、ノンアイロンタイプはほぼシワがありません

 

ところで、筆者はかなり忘れっぽく、しかもズボラです。このため、我が家で活躍したのがTW-127XP2の「少量45分」というコース。こちらは1kg以内の化繊混紡衣類なら約45分で洗濯から乾燥までできるという驚きの機能。朝に「アイロンがけしたシャツがない!」というときも、前の日に着ていたシャツを、朝ごはんを食べている間に洗濯・乾燥してくれます。少量乾燥なのでシワになりにくく、そのまま着ていけるので本当に便利です。子供がいる家庭なら、朝に「今日は体操着がいる」「給食着を出し忘れてた」といわれても対応できるのではないでしょうか。

↑「洗濯から乾燥が本当に45分でできるの……?」と不信に思ってタイマーではかってみました。55秒ほど過ぎていますが、ほぼ45分! すごい!

 

さすが東芝、長期で使っても隙がない!

今回執筆した以外にも、TW-127XP2は水を使わずに除菌できるUV温風除菌コースがあったり、洗濯の工程前にUV-Cを照射・温風で加熱することでダニケアができるコースがあったりするなど、かなり多機能な洗濯乾燥機です。今回はいちばん利用シーンが多いであろう洗濯・乾燥を中心にレビューしました。1か月じっくり試用した感想としては、とにかく「隙がない」というもの。

↑あえていうなら乾燥フィルターは2か所掃除する必要があり少々面倒かも? とはいえ、一番ワタボコリが溜まる部分はレバーを引くだけのワンタッチでキレイになります

 

優秀な汚れ落ちのよさ、ヒートポンプで電気代を抑えつつ手触りのよい乾燥機能、そして多岐にわたる機能をわかりやすく説明する操作性のよさ……東芝のZABOONといえば10年以上前から「ちょっと高級だけど高い評価の洗濯機」という印象でしたが、実際に使用すると「たしかにこれは優秀だわ!」と再確認できました。