40代50代になると健康や心のモヤモヤが増えがち。少しでも心が軽くなるように、産婦人科専門医の高尾美穂先生が親身になって答えます。今回は、生理前のイライラについてです。

生理前になると、イライラしてしまいます

【読者の悩み】
2年前に第3子を出産してから、生理前になるとささいなことにイライラするように。その時期、夫や子どもについキツく当たってしまうのを直したいです。セルフで解決する方法を教えてください（Y.Mさん・42歳）

●PMSや睡眠不足かも。生活習慣を見直して

3人のお子さんの子育ては、思うようにいかないことも多く、心が休まりませんよね。もし生理前のイライラが、生理が始まると同時によくなるのであれば、PMS（月経前症候群）の可能性が考えられます。これは女性ホルモンのサイクルが安定しているからこそのサイン。まずは前向きに考えて。ただ、困っている場合は対処が必要。婦人科では、低用量ピルの処方をおすすめするでしょう。

もし、セルフケアで乗りきりたいなら、まずは生理周期を把握することが大事です。生理前にイライラするのがわかっているなら、「今日は調子が悪い」と家族に伝えるだけでも周囲との摩擦を減らせます。神経が高ぶりやすい時期なので、食生活では刺激物やアルコール、カフェインを避けること。

また、運動習慣をもつとPMSを軽くできることがわかっているので、お子さんと一緒に公園まで歩くなど、できる範囲で体をこまめに動かしましょう。

●睡眠時間がたりないとイライラしやすくなる

あとひとつ気にしてほしいのが睡眠時間。睡眠不足でイライラが助長されているケースもあります。皆さん、1日の残った時間を睡眠に充てようとしますが、忙しい人ほど「睡眠時間を先取りする」スケジュールで過ごしてほしいんです。育児に手がかかるなか難しいとは思いますが、ご主人にも「今週は調子が悪くて」と話して協力してもらってくださいね。

私は忙しくても週3〜4日はジムで汗を流して、睡眠時間を確保するよう心がけています。私自身、イライラすることはあまりないのですが、きっとこのような生活習慣が心を安定させてくれているのだと思っています。

なお、メンタル面の不調が強く出る生理前の不調をPMDD（月経前不快気分障害）といいます。セルフケアをしてもイライラがひどい場合は、我慢せず婦人科で相談してくださいね。

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