ミニマリストで整理収納アドバイザーのおふみさんが、シンプルに心地よく暮らすコツをご提案。今回は、旅の荷物を最小限にするコツについて伺いました。

旅の荷物はコンパクトに、行きと同じ重さで帰る<おふみの暮らし絵日記・第13回>

「現地の人ですか?」
少し前にハワイに行ったのですが、ホテルへの送迎バスを待つためにキャリーケースを手に立っていたら、日本人観光客に尋ねられました。

【写真】旅が快適になるグッズ2つ

ハワイに来るのは人生2回目の初心者観光客なのになぜだろう…と疑問に思っていると、「すごく荷物が少ないですよね」と言われました。

夫婦ともに機内持ち込みができる2〜3泊用のサイズを持っていました。
確かに周りを観察してみると、ほかの旅行客の半分以下のようでした。たしかに海外旅行にしては荷物が少ない。

国内旅行でも海外旅行でも同じキャリーケースを使っていて、どこへ行ってもほぼ荷物の量が変わりません。

先日友人と国内旅行に行った際にも「なんでそんなに荷物少ないの?」と聞かれたので、少ない荷物にまとめるコツや、案外なくても大丈夫なもの、用途を兼ねられるものなどを紹介したいと思います。

 

●1:旅先で「案外なくても大丈夫なもの」

私の荷物が少ないいちばんの理由は、服を絞っているからです。長旅でも日数分の服は必要ありません。

まず、1泊2日なら同じ服を着て、下着とインナーだけを変えます。夏場ならTシャツの替えを追加します。

2泊3日以上の場合は、もう1セット服を持参し、汗が気になったら洗濯します。そのために洗濯ヒモと洗濯バサミ、そして詰め替え容器に小分けにしたマジックソープを持参しています。マジックソープは普段から愛用している液体石鹸で、洗濯だけでなく洗顔・シャンプー・ボディソープとしても使えるので便利です。

洗面台にお湯をためてマジックソープで手洗いし、バスタオルで挟んで体重をかけて脱水します。そしてベランダや浴室など換気できる場所に干しておけば1日もあれば乾きます。私はこの方法が気楽なのでそうしていますが、ホテルに洗濯乾燥機が備えつけの場合はそれらの設備を利用するのも手だと思います。

これだけで、冬でも服がバッグを圧迫することはありません。長い旅でも怖いものなしです。

 

●2:少ない荷物で快適に旅する工夫

旅先は気温が読めないもの。体調を崩したり、旅先で買いたすことになってはもったいないので、温度調節できるアイテムは持参します。

手のひらサイズのポーチに収納できるシャカシャカ素材のジップブルゾンや、同じくコンパクトにまとまるユニクロの「ウルトラライトダウン」をキャリーケースに入れて行きます。使わなければそれはそれでOK。場所をほとんど取らない上、無駄な買い物を減らせるのでこれは保険です。

また、案外なくても大丈夫なのがガイドブック。ハワイ旅行でも持って行きませんでした。代わりに楽天マガジンでその国のガイドブックをDLしていきましたが、問題なく旅を楽しめました。

ほかにも、オールインワンの美容液があると便利。化粧水、美容液、乳液をひとつにまとめられます。

無印良品に「敏感肌用オールインワン美容液ジェル(携帯用)」というものがあり、コンパクトなので重宝しています。

●3:案外盲点?お土産を買わないと荷物が増えない

先日友人と国内旅行をした際、彼女は行きはボストン1つで来たのですが、お土産が増えて最終的にキャリーケースを買いたしていました。旅先で増えがちな荷物がお土産ですが、私は旅先でほとんどお土産を買いません。

以前はせっかくその土地に来たのだからなにか買って帰らないと損だと思い込んでいて、器や食べ物など様々買い込んでいましたが、食器棚には上限があるし、そもそも今あるだけで十分たりていると気づきました。食べ物もその土地で食べて楽しんだら、それで十分すてきな体験になると気づきました。

今では、自分だけ旅行に出かけた場合は夫宛に手のひらサイズのおいしい食べ物を買って帰りますが、それ以上はなにも買いません。旅先でワインなどかさばるものが欲しくなったら、宅急便で送ります。ものすごく気に入ったものがあれば帰宅後に通販してもいいですしね。

「行きと同じ重さで帰ること」を意識していますが、それだけでも旅が快適になると思います。

 

●4:反対に、旅先で「これは絶対必要」!

私は舞台観劇が趣味で、推しを見るために地方遠征に行くことも多いのです。ただ荷物を減らすことを目的にするなら化粧もヘアケアもすべて持参しなければいいですが、髪も肌も最大限整えて自分の思うおしゃれをして会場に向かいたいです。

その上で荷物を最小限に抑えたいので、バランスをとることが旅の荷物選びで最も重要なことだと考えています。

たとえば、化粧品は旅仕様で普段よりも多少減らしますが、かといってBBクリームのみでOKとはなりません。普段は数本入っているリップを1本だけ持参したり、アイシャドウについては色がたくさん入ったパレットタイプではなく、1本でグラデーションができるリキッドシャドウに絞っていったりと、自分をよく見せてくれてコンパクトなものに厳選しています。

15cm角の小ぶりなポーチを上限として、ここに収まる分で最大限メイクを楽しむことにしています。

髪のコンディションを整えるための必需品が、ヘアアイロンとトリートメントです。旅先で快適に過ごすために必ず持っていきます。

一度これらを持参せず宿泊したところ、翌朝に髪の毛がとてつもなく絡まり合って鳥の巣のようになってしまったことがあるため、出先で無駄な買い物をしなくてすむように必需品としてカウントするようになりました。

 

●「暮らしの必需品」だけをスーツケースに詰め込もう

一人ひとり旅先で必要なアイテムは異なります。

迷ったら、「なしで暮らすと困るので、出先で買い直すことになるもの」があなたの旅の必需品です。

このことを意識すれば、取捨選択する持ちものが見えてくると思います。