中国の都市部では、子どもを持たない女性の比率が相対的に高い(写真はイメージ)

生涯にわたり子どもを持たない中国人女性が増えている。イギリスの医学誌『BMJオープン』に掲載された中国の研究者グループの論文によれば、中国人女性の2020年の生涯無子率(訳注:49歳時点で子どものいない女性の比率)は5.16%と、2010年の1.29%から10年間で3.87ポイント上昇。今後もさらに上がり続けるという。

この論文は、中国の2020年と2010年の国勢調査および2015年に実施されたサンプル調査のデータを基に、子どもを持たない女性の比率が(年齢層や属性の違いで)どう変化したかや、その要因を分析している。

それによれば、中国人女性の生涯無子率は2020年までの10年間に全体的に上昇。その一方、変化の度合いは都市部と農村部、教育水準の違い、地域の状況などによりばらつきがあった。

具体的には、都市部で暮らす高学歴の女性や、歴史的に出生率が低い地域の女性の生涯無子率が高かった。また、(49歳時点の無子率で比較すると)女性の生まれ年が後になるほど生涯無子率が高い傾向にある。

都市化や高等教育の普及が影響

2010年から2020年までの変化を年齢別に見ると、子どもを持たない女性の比率はすべての年齢層で上昇。35歳の女性の無子率は5.39%から10.91%に、40歳は2.66%から7.85%に、49歳は1.29%から5.16%に、それぞれ高まった。

論文の著者たちの分析によれば、相対的に低い年齢の無子率が上昇したのは、女性たちが自分の意思で出産時期を遅らせているためと考えられる。一方、相対的に高い年齢での無子率上昇は、生涯無子(の増加)に直結する可能性が高いという。


本記事は「財新」の提供記事です

都市部の女性と高学歴女性に関しては、将来の生涯無子率が10%を超えると、著者たちは予想する。また、中国における都市化の加速と高等教育の普及が進むとともに、女性の生涯無子率は全国的に上昇が続く見込みだ。

(財新記者:李明芝、許雯)
※原文の配信は6月9日

(財新 Biz&Tech)