50代からの「居心地のいい場所」の見つけ方。家や仕事とは違う豊かな時間に
職場や家庭以外とは別の居場所のことを「サードプレイス(第三の居場所)」と言います。人生をより豊かに過ごすため、多くの人が趣味など別のコミュニティに属しています。50代から始めるサードプレイスの選び方について、トップブロガーの中道あんさんに教えてもらいました。
50代からの「サードプレイス」は楽しめる場所に
サードプレイスとは、仕事場(職場)やプライベート(家庭)の場所ではない第3の居場所を指します。自宅に帰る前に軽く息抜きや、体を動かしリフレッシュしたり、刺激を受けてやる気を起こさせたりする場所です。新しい人との出会いの場所でもありますし、ワクワクすることから、アンチエイジングの効果も期待できます。
私の場合は、「日本酒を嗜(たしな)む会」を主宰しており、そこがサードプレイスのひとつ。きっかけは輸出が増加している日本酒をもっと日本人に知って欲しい、飲んで欲しい、広めていきたい、と思ったからです。おじさんが一升瓶を抱えて酔っぱらっているイメージは古い!
今、とてもオシャレなお酒は日本酒なのです。私の趣旨に賛同して多くの女性が会に参加してくださり、いつしかそれが参加者のサードプレイスになりました。コロナ禍でもあって2020年の新年会からしばらくは活動していませんでしたが、2022年3月に再開。今年で足かけ6年にはなります。
続けてこられた理由は…
・名前も肩書も知らない平等な立場
・お酒の知識を深め料理を楽しむ場所
・ざっくばらんに会話する雰囲気
・乱れるまで飲まない自律性
・デキる人はSNSで広めていく
これらの条件が守られてきたからだと思います。私たちは、いろいろなしがらみの中で生きているけれど、この場所では、お互いの社会的立場や属性を気にすることなく、気軽に交流できて笑い合える時間を共有する。それがサードプレイスの定義だと思います。
具体的には、趣味・習い事・ボランティア活動・サークルなどもそうですし、仕事帰りの居酒屋やバーなどもサードプレイスでしょう。
そうそう、先日参加した男性主宰の日本酒の会では、ワインバーで誘われたという方が参加されておりました。仕事帰りのワインバーで出会い、さらに新しい場所へとつながっていくのですね。
●人生の主体性を高められるのがメリット
ほかには、ピラティスやフラワーアレンジメント、神社の掃除などもサードプレイス。なにを選ぶか、どれくらい参加するか、どのように関わるかはすべて自分次第。自分で考えるようになるし、自分で決められるようにもなります。つまり、主体性が高まっていきます。すると前向きな思考になるので、知的好奇心が強くなり、新しい世界への抵抗感が低くなります。
ずっと同じ生活の繰り返しに飽き飽きしているのならば、まずは身近な場所に自分から出向いて体験してみましょう。サードプレイスを活用して夢中を育んでいきませんか。
●新たな刺激が得られる
50年以上生きていると、意識しないと自分の世界は変わりません。いつも同じような場所で同じような人とのつき合いになります。それでは、新しい出会いのチャンスもありませんし、新しい価値観に触れることもないでしょう。それが老いの始まりだと思っています。
いろんな人と出会うと、自分が知っていることなんてほんの少しだと思い知らされます。圧倒的に世間知らずです。だからこそ、刺激をいっぱいもらえるのです。
自分では、相当いろんな日本酒を飲んでいるつもりでしたが、日本酒の会で出してもらうお酒がいまだに初めてのものが多いです。食事とのペアリングでお酒の味の感じ方が違ったり、温度によっても違います。
そういうことも、自分ひとりじゃ興味の範囲も広がらないし深みも増しません。自分じゃない視点があればこそ、知見を広げるられるのではないでしょうか。いつまでも成長できる自分でありたいですね。
●人とどんな会話をしたらいいのかわからない場合は…
とはいえ、新しい場所にひとりで行くのは勇気が必要。人となにを話していいのか分からない…。という人も多いのではないでしょうか。見ず知らずの人に、聞かれもしない自分の話はしにくいものです。
これは私の持論ですが「人は結局、自分のことにしか興味がない」そして「人はだれしも自分を認めてほしい」と思っています。そのため、「自分のことを分かってくれる人に好意を持つ」ものです。だから私も、初対面の人とは初めは聞き役に徹して相手に対して興味をもつようにしています。相手の話に共感すること。すると質問できることの1つや2つ見えてくるものです。それを質問すれば、気分よく答えてくれると思います。なにを話したらいいか分からない場合には、自分に意識を向けるのではなく、相手の「話を聞く」ことに意識を向けると肩の力が抜けてその場所を楽しめるでしょう。
50代後半にもなると、自分の時間は増えていくのになにをしたらいいか分からないと悩む人は少なくありません。また逆に、忙しすぎて自分の時間が取れないという人も多いです。どちらにしろ、どんどん確実に老いていきます。だからこそ自分らしいサードプレイスを見つけて、人生に張り合いをもっていこうと思います。