「失敗しない」実家の片づけ。惜しがる親もその気になる3つの心得
帰省するたびに気になるのが、「実家の片づけ問題」。多くの人が直面する問題だからこそ、実際に片づけをした人の体験談は参考にしたいもの。そこで、整理収納アドバイザーのふくぴぃさんに、一度実家の片づけに挫折したからこそわかる、失敗しない実家の片づけのコツを教えてもらいました。
片づけのきっかけは実家の「小さな変化」
実家へ帰省すると、親の姿を見ることができてホッとしたのと同時に、久しぶりの実家はものであふれかえっていて、自分が住んでいた頃との変化に驚くことがあります。私自身も数年前に実家の変化、親の変化を感じた1人。
以前はクリップでまとめられていた公共料金の明細書が、数か月分バラバラにテーブルの上に置かれていました。その変化に気づいた半年後、両親がほぼ同時期に入院となり、その入院をきっかけに実家片づけを始めることに。
そこで今回は、片づけを始める前に注意しておきたい3つの心得をまとめてみました。私は一度「家族のために!」と思い始めた実家の片づけを、家族の協力が得られなかったり、くじけてしまったりで、中断してしまった過去があります。私のような失敗をしないためにも、少しでも参考になったらうれしいです。
●心得1:親の住まいであることを忘れない
入院することになったときに、靴下1つでさえスムーズに見つけることができず、実家の片づけを決意した私ですが、かねてより実家へ帰るたびに「ものが多いな〜」と感じていました。
もともと私自身、片づけは得意だったため、「ものを捨ててすっきりさせたらもっと快適に暮らせる」、と親を心配する思いから、聞かれてもいないのにアドバイスをしていたんです。
たとえば
・もっと○○を減らせばすっきりするのに
・ひとつ買ったらひとつ手放す癖をつけないとものが増えるばかりだよ!
などなど、なんだか偉そうに両親や、実家に住んでいる妹に言っていました。
今思い返しても余計なお世話なことばかり。自分の想いを熱く伝えれば伝えるほど、家族との心の距離は離れてしまったようには感じます。あくまで実家は、親の住まい。それを忘れずに、暮らしている親の暮らしを否定するような言い方は控えるようにしましょう!
●心得2:目的はすっきりさせることではなく「安全」かどうか
片づけを始めようとすると、ついものをどんどん捨てたり、収納用品をそろえて見た目をすっきりさせたくなりがちですが、これがじつは間違い!
以前の私は「使わないよね?」と言いながら、捨てることを第一優先に考えていたため、家族から反対された経験があります。まずは実家の片づけは安全性を高めることが最優先。そうすることで、挫折することなく続けられるように。なるべく親の習慣や日々の生活導線を変えずに片づけを進めました。意識したことは、以下の2つです。
(1) ケガすることなく安全に動けるか
(2) 考えこむことなくストックなど持ち物を把握できる状態かどうか
最初からものを捨てることにこだわらず、床置きのものを種類ごとにまとめてつまずかない場所に置く。脚立に乗って取らなくてはいけないものは、下段に移動させる。など、安全を考えてることで片づけがスムーズになります。
●心得3:すぐに結果を求めず長期戦で考える
現在私は2週間に1度、親の通院のつき添い後に実家に立ち寄り、制限時間を設けて引き出しひとつ、テーブル上だけなど場所を区切って片づけています。
要不要の判断は両親だけでなく私も長時間続けると疲れてしまいます。両親が元気なうちはいっきに片づけきろうとせず、「コツコツ片づけ続けることができれば成功!」くらいの気持ちでよいと思います。
一気に終わらせたい気持ちが強いとついものを捨てたくなり、両親に当たりが強くなってお互い嫌な気持ちになりかねません。
実家片づけは長期戦。私もまだまだ片づけ中です。実家片づけ中の方、一緒にほどほどにがんばっていきましょう。