つるしたり飾ったり、インテリア好きに人気のビカクシダは、手軽で管理がラクなのも魅力です。植物を育てることに自信がないという人でもできる方法を、園芸デザイナー・三上真史さんと共に紹介します!

ビカクシダは成長を楽しみながらつるして楽しめる

コウモリランとも呼ばれる、シダ科の植物。

「大きなものは高値で販売されていることも。自分で小さな苗からつくればリーズナブル。成長する様子が楽しめ、愛着が湧いてきますよ」

@takamayutaiさん

@zembkityさん

ビカクシダの板づけをつくろう

自然界では木や岩に着生して育つビカクシダ。板づけをすることで自生する環境に近くなり、通気性もよくなって、育ちやすくなるメリットも。壁にかければオブジェのように楽しめます。

●材料

好みの板でOK。穴があいたカッティングボードなら、つるすのも簡単。

・スマスキーガ まな板 縦28×横18cm 699円(イケア)

水苔

乾燥した状態で売られている水苔は、必要な分をちぎり、水で戻してから使う。園芸店では150g・1000円程度で購入が可能。

ミシン糸

透明タイプを使用。テグスより細く目立たないミシン糸がおすすめ。

・透明ミシン糸 110円(ダイソー)

ビカクシダの苗

園芸店などで購入可。店や品種によっても異なり、500円程度から売られている。今回は育てやすい「ネザーランド」を使用。

●板選びのポイント

家のインテリアに合わせ市販品や家にあるもので縦長のものを選ぶとつくりやすい。

「コルク樹皮は園芸店などで購入できます」

「焼松トレーは、じつは100円ショップで売られている耐熱皿用の敷物」

●下準備:水苔を前日から水で戻す

チャックつき保存袋に乾燥した水苔を入れ、水苔の半分程度の水を注ぎ、全体に水を浸透させる。水苔は2倍以上に膨らむので、使う量に注意。

「ひと晩浸けて、しっかりふわふわの状態に戻して」

●step1:板の上に水苔を置き土台をつくる

水で戻した水苔を優しく絞り、板に広げ苗をのせる土台をつくる。

「完成図をイメージして位置を決めて。水苔は1cm程度の厚みにして、円形になるように広げます」

余分な水分を絞ってから使いましょう。

●step2:苗をポットから出して土を落とす

ポットに入った苗を横にして、片手で苗を包み、そっと引き抜く。

「ビカクシダの根は黒いので、土と間違えて切らないよう注意。優しくほぐしながら古い土を落とします」

・根を中心から割るように広げる

苗が平らになるよう、根を左右に広げる。

「緊張しますが、思いきってぐいっと広げるのがコツ」

板にのせやすくなります。

●step3:苗を水苔の上に置く

水苔の上に苗を置く。板を壁にかけたときに、苗の「成長点」が上を向くように置くのがポイント。

「育って葉が大きくなったときの見映えが、ぐんとよくなります」

・「成長点」とは?

ビカクシダの心臓部。

「長く伸びる『胞子葉』と、水分をためる役割の『貯水葉』の2つの葉が出てくる場所。上向きにすると美しい本来のシルエットに」

●step4:根を水苔でおおう

ビカクシダの根をおおうように、絞った水苔をのせる。

「こんもりとした山をつくるようなイメージで。この水苔が、成長するための水分を含む台になるのでしっかりおおいます」

●step5:ミシン糸を板に巻いて水苔を固定する

苗と水苔と板を固定するように、ぐるりと糸を巻く。

「木に着生する植物なので、成長すると自力で木にくっつきます。この糸はくっつくまでをサポートするための役目です」

・失敗しない巻き方のコツ

最後に結ぶため、約10cmを残して糸を巻き始める。

「板に何周も巻きつけ、後ろでかた結びをして完成です」

難しく考えずぐるぐる巻けばOK!

●完成!

完成したら、板にヒモをつけ壁につるして飾って。

「大きく成長すると、愛着もさらに湧いてきますよ」

・肥料をプラスして元気に育てる!

手軽なのは観葉植物用の錠剤肥料。水苔の上の方にのせれば、水をかけるたびに少しずつ浸透する。

・ボタナイス 置くだけ! カンタン錠剤肥料120g 330円(ハイポネックスジャパン)

ビカクシダ育て方Q&A

木や岩に着生する植物のため「乾燥」を意識してお手入れを。根腐れに注意!

●Q:置き場所は?

→A:風通しのよい明るい日陰に

室内なら直射日光を避け、レースカーテン越しの場所がおすすめ。

「乾くことが大事なので、風通しのいい場所に。ときどき外に出してあげましょう」

●Q:水やりのタイミングは?

→A:水苔が乾いてから!

毎日あげる必要なし。水苔が乾いたタイミングで、水苔がしっかり湿るようにジャバッと水に浸す。

「霧吹きで葉も水をかけるとより元気に育ちます」

この記事で紹介している商品は、取材時(2023年3月13日)に販売されていたものです。店舗により価格や取扱商品は異なります。仕入れ状況によって同じ商品がない場合やすでに販売終了している可能性もありますので、ご了承ください。