桐谷健太がペアリングを愉しんだ、住宅街に潜む老舗ビストロ
地元住民が「ちょっとしたハレの日に」と訪れる、祐天寺の老舗ビストロ『クレモンティーヌ・ビス』。
そんな同店で、俳優・桐谷健太さんにワインとフレンチのペアリングを堪能していただいた。
2回に渡ってお送りしている、桐谷さんの記事の後編はこちら!
▶前編はこちら:「あの時の自分に怒られると思う」俳優・桐谷健太が、いまを全力で楽しむ理由
【後編】
■桐谷健太さんがペアリングを愉しんだ、祐天寺の住宅街に潜む老舗ビストロ
住宅街に潜む老舗ビストロで、心温まる美しきひと皿を
祐天寺駅から歩いて3分。バス通りから1本入った住宅街の入り口で、帰路に着く人々の足元を照らす柔らかい灯り。
店のエントランスドアをはじめ、空間を彩る床のタイルやランプもすべてフランスから運んだアンティーク。
シェフの山岸英二さんと由紀子さん。穏やかな接客が評判
オーナーシェフの山岸英二さんは、「自分の店を持つなら静かなところで、と決めていた」そう。
だが、理想的な立地と店を開いたものの、当初は「3年持てばいい」と言われたこともあったという。だが今年、店は21年目を迎えた。
今でこそ、こういった立地も珍しくないが、当時の挑戦心たるや、である。重ねた年月は人々に愛されている何よりの証拠だ。
「見た目が華やかで“映え”たとしても、味を覚えてもらえなければ意味がないよね、とは開店当初から話していること。お客さまには旬の食材をしっかりと味わっていただく。そこに心を砕いています」とはマダムの由紀子さん。
心と舌に鮮烈な印象を刻まれたのは、桐谷さんも同様だ。
華やかなひと皿の複雑な味わいが、次々とワインを呼ぶ
6月いっぱいまでの期間限定の魚料理「鮎の一皿」。
鮎と帆立をムースにし、中に詰めてから天火焼きにし、ふわふわの食感をキープ。
初夏のスペシャリテとして、根強いファンを持つ「鮎の一皿」。
ふわふわの身の下には、きゅうりのジェノベーゼが小気味いいアクセントとして清涼感をもたらす。ところが、「僕、実はきゅうりが得意でなくて」と桐谷さんから驚きの告白が。
でも「それなのに、めちゃくちゃ美味しく感じる。こんなの初めて」と満面の笑顔を見せた。
「ほろ苦い鮎に『アントル・ドゥー・メール』の白。完璧なペアリングは、プロの仕事です」
「抜群に美味しい」と桐谷さんも一瞬で食べた、肉料理のメインは「漢方和牛のハラミステーキ」。
「フレンチのコースといっても、こういった街のビストロならカジュアル。
ひと皿ごとをワインとペアリングで楽しめば、じんわりと時間が経っていって、じんわりと景色も変わっていく。で、じんわり酔っていくと、相手の見え方も変わってくる。
それがフレンチのコースの面白さだと思う。みなさん、するべきです」と桐谷さんは断言。
「ワインを飲みながら撮影……、なんて素敵な仕事なんですか!」
「デートでフレンチ、コースでペアリング。いいじゃないですか、すごくいいと思う」
前菜のひとつ「炙り鰹とブルグールのセルクル」。
梅肉とアンチョビのソースがソーヴィニヨン・ブランとよく合う。
現在、ディナータイムはコースのみ。すべて「クレモンコース」14,300円(3日前までに要予約)の一例。
幸せのシンボル「ポワトンくん」とは?
「魚(ポワソン)」と「豚(とん)」が融合した架空のキャラクターは、店舗を手掛けたデザイナーの子どものスケッチから生まれたもの。
皿やカップのほか、店のあちこちに隠れている。
◆
「白ワインと鮎を食べている瞬間のあの多幸感、忘れません」と、桐谷さん。
『クレモンティーヌ・ビス』は、今日もまた、きっと誰かを幸せにしている。
▶前編はこちら:「あの時の自分に怒られると思う」俳優・桐谷健太が、いまを全力で楽しむ理由
■プロフィール
桐谷健太 1980年生まれ、大阪府出身。大学進学を機に上京し、2002年、俳優デビュー。2008年、ドラマ『ROOKIES』の平塚 平役で一躍有名に。2016年にはCMソング『海の声』で『第58回日本レコード大賞』優秀作品賞を受賞。現在は『ケイジとケンジ、時々ハンジ。』で3年ぶりに仲井戸豪太役を演じる。
■衣装
ジャケット 140,800円〈タリアトーレ/トレメッツォ TEL:03-5464-1158〉、パンツ 28,600円〈バグッタ/バインド ピーアール TEL:03-6416-0441〉、時計 3,883,000円(ヴィンテージ)〈A. ランゲ&ゾーネ/コミット 銀座 TEL:03-6264-5310〉、その他スタイリスト私物
■店舗概要
店名:クレモンティーヌ・ビス
住所:目黒区五本木1-29-13
TEL:03-3711-8757
営業時間:【月・木・金】18:00〜(L.O.20:00)
【土・日】ランチ 12:00〜(L.O.13:00)
ディナー 18:00〜(L.O.20:00)
定休日:火曜、水曜
席数:テーブル14席、カウンター4席
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東京カレンダー最新号では、桐谷健太さんのインタビュー全文をお読みいただけます。
東カレに語ってくれた、とある“ワイン会”の思い出とは?
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