「ダウンタウンはすごかったとか、クソどうでもいい」 中田敦彦「提言」騒動、茂木健一郎も参戦「日本のお笑いは狭すぎる」
お笑いコンビ「オリエンタルラジオ」中田敦彦さんが、「ダウンタウン」松本人志さんに批判的な指摘をした騒動をめぐり、脳科学者の茂木健一郎氏が2023年6月2日までにツイッターやYouTubeで持論を展開した。
「中田敦彦さんが、松本人志さんを批判されていて、とても偉いと思う」
中田さんは5月29日に公開した動画で、「全部のジャンルの審査委員長が松本人志さんっていうとんでもない状況なんですね」と指摘。松本さんに向け「審査員ちょっと何個かやめてくれないですか?」などと提言していた。
茂木氏は同日、ツイッターを更新し「中田敦彦さんが、松本人志さんを批判されていて、とても偉いと思う。そういうメタ認知がなかったら日本の『お笑い』は発展しない」と中田さんを称賛した。
続けて、お笑いやお笑いをめぐる日本のテレビ文化について、「メディアとしての日本のテレビは終わっていないけど、お笑いが中心にある日本のテレビの『文化』は完全に終わっていて、ぼくは全く興味がありません」などと批判的な立場を示した。
6月1日には、自身が2017年に投稿し波紋を呼んだ「日本のお笑い芸人たちは、上下関係や空気を読んだ笑いに終止し、権力者に批評の目を向けた笑いは皆無。後者が支配する地上波テレビはオワコン」などとする投稿を引用し、「このツイートなつかしいな」とつぶやいた。
この投稿をめぐっては、「爆笑問題」の2人がラジオ番組で猛反論するなど、当時大きな議論を呼んでいた。
2日には、お笑いコンテストの審査そのものについて、「誰が審査員やるかというよりも、そもそもコンテストというフォーマット自体が、コメディの創造の自由からかけ離れている。現代アートと無関係に仲間うちでやってる公募展のようなもの」とした。
「日本のお笑いはオワコンですよね」
1日に公開した動画「ぼくが日本の『お笑い』に興味をなくした理由」では、お笑いに対する持論を詳細に語った。
茂木氏は日本のお笑いファンについて、「狭すぎるんですよね。知らないんですよね」と指摘。日本のお笑いの素晴らしさを語るファンについて、「『ダウンタウンはすごかった』とか、いいんだけど、クソどうでもいいなと思って。正直、狭いから」と切り捨てた。
それぞれの人が自分の考えていることや感じていることをできる限り正確に伝えることが「多様性」だとした茂木氏は、中田さんの発言を評価し
「『松本人志さんがお笑いの審査をやりすぎ』というのは、そもそもコメディアンが他のコメディアンをジャッジするっていう構造自体がおかしいでしょ」
とした。
「大御所と言われている人たちが審査して順位を付ける、ってこと自体が同人誌化しているっていうか。美術の公募展化してますよね。日本のお笑いはオワコンですよね、自由がないわけですから。『自由がある』とかいう人もいるかもしれないけど、それって『小さく前ならえ』の自由ですよね。そういう笑いの構造に付き合う必要はもうないなって」
「申し訳ないんだけど、レベルが低いんですよね、日本のお笑いは」
さらに茂木氏は、コント番組「LIFE!?人生に捧げるコント?」(NHK)の名前を挙げ、「正直、僕あの『LIFE!』っていうNHKのスケッチあるけど、あれも出来は良くないと思ってる」と批評した。
「『宇宙人総理』ってのは面白くもなんともないですね、はっきり言って」「(外国の諸作品と比べると)幼稚園並み」「セクシー部長っていうのも面白くもなんともないし」と感想を述べ、「申し訳ないんだけど、レベルが低いんですよね、日本のお笑いは」とバッサリ。
「根本的な問題って、結局日本人が前頭葉を使って自分たちで判断してないってことにつながっていくと思うんですよね。(国民が)幼稚園や子供のレベルで留め置かれている中で、世間の人間関係とかの中で細かい笑いを見つけていって、それをショーとして見せてるっていうのが日本のお笑いだと思ってるんですね」とした。
茂木氏は再度、「僕は、日本のお笑いは狭すぎると思います。世間、人間関係に閉じ込められている」と主張した。