セリエA開幕戦、最も注目を集めたフィオレンティーナ対インテルの対戦は2−3でインテル勝利。アウェイながら優勝候補本命が開幕を初陣で飾った。

スキャンダル発覚によりダンピング状態に陥ったユーベからビエィラ、イブラヒモビッチ獲得に成功。W杯開幕前にグロッソを安値で購入、イタリア復帰を望むクレスポをチェルシーから難なく呼び寄せた。一足早くスーパーカップを制し、優勝に向け万全の状態で新季開幕を迎える予定だったインテルに4日、突然の悲劇が襲った。会長ジャチント・ファケッティ氏の急逝(享年64歳)。現役時代インテル、そして代表主将として不動のSBとして地位を築いた会長の死にモラッティ・オーナーをはじめ多くの関係者が衝撃を受けた。彼の偉大な功績を称え、クラブ側は背番号「3」を永久欠番とする意思を正式表明。開幕戦への影響を懸念する声も挙がる中、チームはピッチ上で結果を出した。

MFカンビアッソの2得点、イブラヒモビッチの移籍後初ゴールで0−3。圧勝ムードが漂ったインテルだが、昨季得点王トニに2得点を許し終わってみれば2−3辛勝。試合後インテル監督マンチーニは「3点リードの段階で我々は牙を剥く事を止めてしまった。2度と繰り返してはならないが、まぁ今日は勝利できたことが重要」と反省点を言及しながらも選手達の奮闘をねぎらった。

インテルはこの日、全選手が喪章を右腕に付けて挑んだ。主将DFサネッティのキャプテンマークには「人間として全ての面であるべき人物だった。寂しくなるよ。チャオ、ジャチント」とメッセージが入っていた。

不正発覚により昨季の優勝が転がり込んだインテルだが、ピッチ上での優勝ではない。国内リーグ制覇に向け白星発進したインテルに休息は無い。欧州CL制覇に向け12日、リスボンでも勝利を狙う。