プレミアリーグ開幕後、いまだ勝利のないアーセナル。9日のミドルスブラ戦も、試合を支配しながら、前半に先制を許す展開。その後、退場者を出したボロが守りを固めたため、FWティエリ・アンリのPKで追いつくのがやっと。勝点2を失った形となったアーセン・ベンゲル監督は、2分1敗で17位に沈むチーム状態に苛立ちを隠さない。

「試合をコントロールしながら、勝てない状況が続くと、やはり心配だ。ボールを支配して、チャンスも量産しているが、先制を許すと自信を失う。そして、攻めを放棄した相手を崩せない試合が続いている。不調の原因は、国際試合で半数の選手がチームを離れていたことにある。おかげで、コンディションが万全でないのだ」

 さらにフランス人監督は、今シーズンから新たに本拠地とするエミレーツ・スタジアムについても言及。カウンターを武器とするアーセナルにとって、新スタジアムのピッチは広すぎると注文をつけたのだ。

「我々は、まだエミレーツのピッチをうまく使えていない。ハイベリー(旧本拠地)であれば、ボールを奪った瞬間にゴール近くまで迫ることができていた。しかし、ピッチが大きくなったことで、カウンターに時間がかかる。さらに、相手にも守備に戻る時間を与えてしまっている」

 開幕ダッシュに失敗し、不満をぶちまけた知将ベンゲル。次節(17日)には、首位を走るマンチェスター・ユナイテッドとの対戦を控えるだけに、「過去最悪のスタート」(ベンゲル)で自信喪失気味のチームを何とか鼓舞したいところ。その意味でも、水曜日(13日)に行われるチャンピオンズ・リーグのハンブルグ戦が、今シーズンの行方を占う試合となるかもしれない。