毎年激闘が繰り広げられる、リバプール対エバートンのマージーサイド・ダービー。9日にグディソン・パーク(エバートンの本拠地)で迎える今シーズンのファーストラウンドに、初出場する予定なのがリバプールのFWディルク・カイトだ。

 ラファエル・ベニテス監督の2年越しのラブコールを受け、今夏レッズのユニホームに袖を通したカイト。プレミアデビューとなったウェストハム戦(8月26日)では、豪快なプレーで、早速サポーターのハートを掴んだ。そして、アウェイで迎えるダービー初参戦を前に、大胆なフィニッシュが身上の26歳は、ブーイングの嵐を楽しみにしていると語った。

「ダービーが待ち遠しい。スタンドの興奮が、最高のパフォーマンスを引き出してくれるからね。僕はファンからエネルギーをもらうタイプの選手。それに、アウェイの雰囲気も大好きさ。ボールを触れるたびにブーイングを受けるような試合がね。マージーサイド・ダービーはテレビでよく観たよ。ファンはずっと歌ってるし、展開もスピーディだ。シビれる雰囲気だね。ブーイングのターゲットにされるのも楽しみ。だって、相手が僕を恐れているってことだからね」

 一方、自ら「夢の移籍」と語ったリバプール入団も、父親の病気を理由に一度は諦めたという。しかし、オランダ代表FWのイングランド行きを、もっとも後押しした人物こそ、ガンと戦う父親だったという。

「リバプール行きを一番勧めてくれたのが父だった。『絶対に行くべきだ』っていわれてね。僕がここまれ来ることができたのは、家族の支えがあったから。だから、オランダを離れるのは辛かった。でも、今こそ決断すべき時だと思った。それに、父の言うことなら間違いないと思ったんだ」

 新天地での成功を父に誓ったカイト。通算204回目のマージーサイド・ダービーで先発が予想されるストライカーは、「決勝点を決めて、ファンの信頼を勝ち取りたい」と、衝撃のダービーデビューに自信を覗かせていた。