絶大なキャプテンシーで、プレミアリーグ王者チェルシーを最後尾から統率するDFジョン・テリー。デイビッド・ベッカム(レアル・マドリー)に代わり、新生イングランド代表でもキャプテンマークを巻く25歳は、そのリーダーシップをジョゼ・モウリーニョ監督との“口論”で培ったという。

「監督から学んだのは、恐れず自分を表現するということ。キャプテンに指名されたとき、『反論するのを恐れるな。選手の前で私とやり合え。それがキャプテンの仕事だ。選手が間違っていても、彼らの側に立つのがお前の役目。彼らはチームメイトなんだ』と言われたんだ。それから何度かやり合ったよ。ジョゼはホントに口論が好きなんだ!」

 さらに、ポルトガル人監督との“バトル”は、テリーのハングリー精神にも火をつけたようだ。

「他のチームがトロフィーを掲げるシーンを見ると、胸に焼けるような痛みを感じる。僕はとにかくすべてを勝ち取りたい。それは、チェルシーでも、イングランド代表でも同じこと。チェルシーで成し遂げた成功を、代表でも再現したい。EURO2008は、もう2年後に迫っている。それに向けて、最高のチームを築き上げたい」

 “恩師”モウリーニョから帝王学を学び、チェルシーに黄金期をもたらしたテリー。「窮地に立たされたときこそ、チームメイトの支えになりたい」と語るキャプテンが、母国イングランドに栄光をもたらす日も近いのかもしれない。