日産が新車並み「ハコスカ2000GT」初公開! なぜ「再び走行」出来る仕様に? 伊藤かずえさん「シーマ」も展示!

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様々な人の想いが詰まったハコスカ2000GTとは

 日産は、「AUTOMOBILE COUNCIL 2023」にて、3代目となる「スカイライン2000GT(C10型/1970年式)」の実車が初公開されました。
 
 通称ハコスカと言われる3代目スカイラインですが、今回展示された個体にはどのような特徴があるのでしょうか。

様々な人の想いが詰まった日産「スカイライン2000GT(C10型/1970年式)」

 日産とプリンスが合併して以降、初めて登場した3代目スカイラインは、現在でも「ハコスカ」の愛称で人気の1台です。

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 その見た目は、エッジの効いたスタイリングも特徴で特にリアフェンダーに走るプレスラインはメーカー自ら流体力学の枠として訴求された後に「サーフィンライン」の名前で親しまれたといいます。

 今回AUTOMOBILE COUNCIL 2023にて初公開された個体は、2020年に寄贈されたものをベースに、日産が公道での乗車体験実施を意図してフルレストアを進めてきたものです。

 フルレストアされたハコスカ2000GTの特徴について、同社の担当は次のように話しています。

ーー ハコスカ2000GTをフルレストアすることになった経緯を教えてください。

「旧車に興味はあるけれど、保管や費用の問題などで、なかなか実際に所有に踏み出せないお客様が多くいらっしゃいます。

 そのような人に向けて、「1度気軽に体験の機会を作っていくことが大切なのでは?」、「そのように古いクルマを楽しむという事を広げていかないと将来的にこのような文化も車両自体も残っていかないのでは?」という危惧がありました。

 しかし、『いきなり買ってください』というのではなく、まず味わっていただくのが最初の敷居を1番低くする方法なのではないか、ということで今回の取り組みになりました。

 その旧車に親しんでいただくためのきっかけ作りとして、製作した第1号がこのハコスカ2000GTです。

ーー 展示された個体の特徴を教えてください。

 座間事業所内にある『日産ヘリテージコレクション』に保管されているヘリテージカーのなかでも、日常的に公道を“元気に”走らせられる個体というのは限られています。

 今回は車検を取得してナンバーを取り、公道をしっかり走らせて体験してもらうことが目的なので、その観点でレストア・仕上げをおこなっています。(車検・ナンバー取得はこれから)

 ベースとなった個体は、一般の人からの寄贈(2020年)されたもので、元オーナーがお亡くなりになり、その奥様と亡くなったオーナーの車仲間からヘリテージコレクションへの寄贈打診がありました。

 見た目は非常に綺麗で見た目は比較的ノーマルをキープされていつつ、走りに関する部分はエンジンがツインキャブになっていたり、5速MTに換装されていたりと(ベースは4速MT)、結構手が入れられていました。

 また大切に綺麗な個体でありながら、走りに関する機関系の調子が良好だった点が今回の取り組みの方向性と合致しました。

 寄贈を打診してくれた元オーナー様の奥様や車友達にも保管だけでなく公道を走らせるような方向で仕上げていくことで事前に相談をしたところ、快く受け入れてくれました。

 走行距離はメーター表示で8600kmを少し過ぎたところ。おそらくひと回りかふた回り(10万か20万)していると思われます。

 綺麗に保たれているだけでなく、キチンと走らせていた個体だという点が、今回このハコスカが選ばれた大きな理由のひとつです。

 このあと車検整備とナンバー取得を目指して、作業を進めていきます。

 ただこの個体にはエアコンが装備されていないので、実際に体験していただくということを考えると、夏は相当に大変です。猛暑をやり過ごして涼しくなった秋以降を狙って、仕上げを進めていく予定となります。

※ ※ ※

 寄贈された個体を日産自身の手によって丁寧に仕上げられた今回のハコスカ2000GT。

 様々な人々の想いを詰め込んで、今秋に再び走り出すようです。

 なお今回のAUTOMOBILE COUNCIL 2023には、女優・伊藤かずえさんが30年以上愛用し、2021年にフルレストアを実施した「シーマ(1990年式)」の実車展示や、本人によるトークショーも実施されました。