787型機の技術者とパイロットがトークイベント JALと川崎重工がコラボ、開発裏話も
日本航空(JAL)は、ボーイング787型機の機体の一部を製造している川崎重工業とのコラボで、同型機のパイロットと製造に関わる技術者によるトークイベントを羽田空港の体験型施設「JAL SKY MUSEUM」で開いた。
787型機の就航10周年を記念して、JAL SKY MUSEUMで実施している見学ツアーの特別編として企画されたもの。展示施設と格納庫の見学に加え、トークイベントと機内食体験がコースに含まれている。
787型機は2011年10月26日に全日本空輸(ANA)が世界で初めて就航させ、JALでは標準型である-8型機の初号機(機体記号:JA825J)を2012年3月25日に受領。同年4月22日から運航を開始した。2015年7月からは長胴型の-9型機を導入し、現在は-8型機29機、-9型機19機の48機(ほかリース3機)を保有している。川崎重工は2005年から787型機の開発・量産プロジェクト事業に参画し、前部胴体と主脚格納部、主翼固定後縁の製造を担当している。
トークイベントには45名が参加。川崎重工の技術者が787型機の特徴や開発時のエピソードを紹介した。従来の機材に比べて炭素繊維複合材(CFRP)で作られている部品が多く、特に胴体などはCFRPで一体成形するという前例のない方法で作られていると説明し、「世界初のものが多く、自分たちで開拓しなければならなかった」と振り返った。
一方でJALの副操縦士は、機体の軽量化により高度を上げやすいことや、機内に導入された加湿機能で快適性が向上していることなどを紹介。「(野球の)WBCではチャーター便としてマイアミまで直接飛んだり、一方では大阪を1日3往復したりと、乗務の幅が広い」と話した。
なお、イベントはJALマイレージバンク会員が対象で、必要マイル数は1名4,000マイルだった。JALは今回のようなSKY MUSEUMの特別企画を不定期的に実施している。