秋元康がプロデュースし、パーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「いいこと、聴いた」(毎週日曜13:00〜13:55)。全国各地の“まだ見ぬ宝”を掘り起こし、プロデュースしていく番組です。

2月19日(日)の放送は、ロックバンド・GLAYのTAKURO(Gt.)さんがゲストに登場しました。今回は、音楽ストリーミングサービス「Spotify」とのコラボ企画を実施。秋元とTAKUROさんが、「令和に残したい昭和・平成の名曲」というテーマで、音楽をきっかけに、当時のトレンドや文化を語り、令和の先に残したい数々の名曲を紹介しました。この記事では、GLAY「HOWEVER」について語った模様をお届けします。


秋元康、TAKUROさん(GLAY)



TAKUROさんは、1988年にGLAYを結成したギタリスト兼リーダー。「HOWEVER」「誘惑」「Winter,again」など数々のミリオンセラーをはじめ、GLAYのほとんどの楽曲を手がけています。ソロプロジェクトとしてTAKURO名義でも活動し、インストアルバムのリリースやライブツアーで全国を回るなどギタリストとしての表現の場を広げています。2月15日(水)には、61枚目となるGLAYのニューシングル「HC 2023 episode 1 - THE GHOST/限界突破-」をリリースしました。

◆秋元康選曲/GLAY「HOWEVER」

秋元:僕はGLAYの「HOWEVER」を。

TAKURO:ありがとうございます。

秋元:このメロディーはやっぱりシビれましたよ。これができたときは「キターッ!」と思ったでしょう?

TAKURO:思いました。のちのアルバムに収録される「pure soul」って曲と「HOWEVER」は、同時にニューヨークで作ったんです。次に紹介しようと思った曲は、この曲の“元ネタ”です。

秋元:そんなのがあるんですか?

TAKURO:安室奈美恵さんの「CAN YOU CELEBRATE?」です。

秋元:そうなの!? 全然違うけど。

TAKURO:あまりにもこの曲に感動したので、一度でもいいからこんな曲を書いてみたいと思ったんです。影響というのはいろんな形があると思うんですけど、僕の場合は小節数なんです。まず、最初にサビのようなつかみがきて、そのあとにちょっとしたイントロ、それからゆったりとしたAメロ。ノートに譜割を書いて、コードもメロディーもないけど、「CAN YOU CELEBRATE?」のような構成の曲を書こうと思って「HOWEVER」を作ったんですよ。

秋元:それは誰も予想がつかないね。

TAKURO:当時のJ-POPの最高峰が「CAN YOU CELEBRATE?」だと思っています。歌詞も「永遠ていう」でいいんだという、その自由さ、そして当時の安室ちゃんの心情を、すべて詩が表現している曲に感動しました。もしGLAYでやるんだったら、ここから学ぶべきは構成だ、と。

◆秋元康選曲/チューリップ「青春の影」

秋元:僕はチューリップの「青春の影」かな。

TAKURO:先ほど「HOWEVER」の構成は「CAN YOU CELEBRATE?」から学んだと言いましたが、歌詞を学んだのは「青春の影」なんです。

秋元:そうなんだ!

TAKURO:わりとロックに影響を受けているけど、詞を書くときってどうしてもマッチョになれなくて。女性視点の歌詞も書きたいし。それをうまく表現してくれるTERU(Vo.)がいたから助かりました。

秋元:「HOWEVER」はいい詞ですよね。

TAKURO:ありがとうございます! チューリップのおかげです。

秋元:「青春の影」もいい詞だもんなあ。

TAKURO:「虹とスニーカーの頃」も好きです。

秋元:いいですよね。僕はデビュー曲の「心の旅」が大好き。頭サビの「あーだから今夜だけは」は、すごくキャッチーなところから入りますからね。

TAKURO:あの歌詞に関しては、ご本人(財津和夫さん)に聞いたことがないからわからないけど、宇多田ヒカルさんの「First Love」に通じる純粋さと青春性を感じます。どうやって作ったのか知りたいですね。

秋元:しかも、デビュー曲のこの感じが、コード進行も含めて、ちょうどアマチュアがやりそうなことじゃないですか? それが大好きでしたね。

TAKURO:主人公が持っている気持ちみたいなものを、僕らは何十年か経って振り返って聴かせてもらうんですけど、やっぱりその時代の日本の社会と切っても切り離せない“つながり”がありますね。

2人が選曲した楽曲は、「Spotify」のオリジナルプレイリストで公開中です。 https://open.spotify.com/playlist/5AJ4FXL1pndCvZMyZ0XyS6?si=6050f47e34864ace



番組では他にも、RCサクセション「スローバラード」、寺尾聰「ルビーの指環」、尾崎豊「卒業」、浜田省吾「路地裏の少年」、とんねるず「迷惑でしょうが…」など、数々の名曲を紹介。お二人の対談と、選曲を合わせた「Music+Talk」も公開中です。

<番組概要>
番組名:いいこと、聴いた
放送エリア:TOKYO FMをはじめとする、JFN全国37局ネット
放送日時:毎週日曜 13:00〜13:55
パーソナリティ:秋元康
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/iikotokiita/