三笘が決めたウェストハム戦のゴールが賞賛を浴びている。(C)SOCCER DIGEST

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 チェルシーにグレアム・ポッター監督を引き抜かれたとき、不安を覚えた者も少なくなかったはずだ。だが、後を継いだロベルト・デ・ゼルビ監督は、ブライトンをさらに飛躍させている。

 その恩恵を受けた選手も少なくない。ポッターの下でスタメンになることがなかったにもかかわらず、デ・ゼルビ体制になってから大ブレイクを果たした三笘薫もそのひとりだ。

 デ・ゼルビの母国イタリアの雑誌『Undici』は、ウェストハムに4−0と快勝したプレミアリーグ前節、特に三笘のゴールシーンに、デ・ゼルビ率いるブライトンの素晴らしさがうかがえると報じた。

 同誌は「ブライトンは良いプレーをするだけのチームではない。効果的で結果を残し、選手たちの価値を高めるチーム」と評し、「イデオロギーと結果を求める調和の最新の例が、ウェストハム戦の快勝だ。特に、カオル・ミトマが決めた3点目である」と分析している。

「日本人ウインガーはシンプルにスライディングしながらボールを押し込んだだけだ。だが、そのタッチの前には、少なくともファンにとって本当に魅力的な一連の動きとパスがあった」

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「違うタイプのサッカーが好きな人もいる。それはまったくもって当然だ。だが、美しくて効果的なプレーであり、全員が速くて技術的な繊細さに優れるブライトン選手の特徴と、試合を準備するベンチの人間の考えが一致しているということに反対できる者はいないだろう」

 さらに、Undiciは「常にこのようにいくわけではない。こういったアプローチが機能しない試合もあるだろう。だが、一定のイメージは残る。ミトマやカイセド、その他のチームメートたちの大きな成長もそうだ」と続けた。

「指導するのはポッターだけかと思われていたが、彼らはデ・ゼルビに出会った。彼らの価値を高め、その才能を発揮させることができ、さらに多くの試合に勝つことができる別の指揮官だ。まさにサッカーの監督がやらなければいけないことである」

 優れた戦術家を多く輩出するイタリア生まれの43歳は、稀代の名将となるのか。そして彼の下で向上を続ける三笘は、どこまで伸びるのだろうか。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部