パワースポットを巡って30年!植島啓司さんの「圧倒的聖地」。知る人ぞ知る「隣のガチ聖地」

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はるか昔から広く崇敬され、今や海外からも注目される著名な祈りの場。しかし、そのお膝元や近場をつぶさに見ると、スルーしてしまうにはもったいない、力ある神社仏閣が存在する。植島さんが推す、もう一つの聖地とは?

1. 日光に行くなら 日光二荒山神社別宮瀧尾神社【栃木】

住所:栃木県日光市山内 TEL:0288-54-0535(日光二荒山神社) 参拝自由

日光東照宮造営の遥か昔、弘法大師が平安時代初期に開いた聖域。日光修験の始まりの地とされ、御祭神の田心姫命(たごりひめのみこと)は男体山の神の妃にして水の神。「結界を越えた途端、空気が変わる。かつての禊場だった滝もあり神域は豊かな水の気配に満ちています」

2. 出雲に行くなら 命主社【島根】

住所:島根県出雲市大社町杵築東 TEL:0853-53-3100 参拝自由

大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)を幾度もの危難から護った神皇産霊神(かみむすびのかみ)を祀る。神の御座所とされた巨岩を背に鎮座。社殿裏手の真名井遺跡からは銅戈(どうか)と勾玉(まがたま)が発見された。「樹齢1,000年とされるムクノキが目印。好きな場所です」

3. 伊勢に行くなら 瀧原宮【三重】

住所:三重県度会郡大紀町滝原872  TEL:0596-24-1111(神宮司庁) 5:00〜17:00(1〜4月は〜18:00、5〜8月は〜19:00、9月は〜18:00)

伊勢の皇大神宮(内宮)の別宮で、熊野古道 伊勢路の道中に鎮座。元伊勢とも伝えられ、古くから「遙宮(とおのみや)」として崇敬を集めてきた。「数ある別宮の中でも奥深い魅力にあふれたところ」

4. 熊野に行くなら 大馬神社の清滝【三重】

住所:三重県熊野市井戸町4333

花の窟、産田神社に次ぐ熊野屈指の古社。地中に鬼の首を埋めたという社殿の奥に位置するのが清滝。落差30m、2段の滝が流れ落ち、水しぶきが周囲を潤す。「神域いっぱいに滝の音が響き渡り、目を閉じると水の中にいるような錯覚に陥ります。大きな水害が起きても、この場所は変わらない。力のある場です」

5. 京都に行くなら 常照皇寺【京都】

住所:京都府京都市右京区京北井戸町丸山14-6 TEL:075-853-0003 9:00〜16:00 料金:参拝志納金500円ほど

660年の歴史を刻む光厳法皇ゆかりの禅刹。「澁澤龍彦も愛した寺。洛中から遠く公共交通機関も限られ、冬は道路状況も厳しい。簡単には辿り着けませんが、それを凌駕する魅力がある。周囲の自然を取り込んだ寺域の空気に心が鎮まります」

植島啓司 宗教人類学者

うえしま・けいじ/京都芸術大学客員教授。東京大学大学院博士課程を修了後、シカゴ大学大学院へ留学。『日本の聖地ベスト100』など著書多数。2023年に『水の神』(文藝春秋)を上梓予定。

photo : Michi Murakami (Takinoo-jinja Shrine) text & edit : Mutsumi Hidaka

No. 1216

幸せをよぶ、開運聖地。/なにわ男子 2022年12月26日 発売号

今日よりも明日、今年よりも来年。前に進むための原動力は、日々の努力と、天からのまわりものである“運”。年が変わるこの時期は、神社やお寺、山や川など「気のいい場所」を訪れて、心と体を浄化し、2023年に向けて運やパワーを磨きたいもの。縁結び、仕事、金運、人間関係…2023年、あなたの人生を切り拓く「開運聖地」を紹介します。第二特集は神棚から、塩や水でのお清め、ツキを呼び込む部屋の整え方まで、「部屋を …

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