EDの自力での治し方はある?EDの種類と原因・受診の目安・ED治療薬の種類も解説します

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EDは、男性特有の病気であり、加齢や疾患などの影響で引き起こされる恐ろしい病気です。

誰しも起こりうる病気ですが、治療方法もあり適切な処置を施すことで治すことが可能です。

しかし、経済的な負担もあるため、できれば自力でも治せないかと考えている方は多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、EDの自力での治し方はあるのかをご紹介します。EDの種類と原因・受診の目安・ED治療薬の種類も解説するので参考にしてください。

EDとは


EDとは、勃起不全のことです。性行為の際に十分な勃起を得られない、維持できない状態になることをいいます。通常であれば、性的な刺激によって興奮することで陰茎海綿体に十分な血流が流れます。
その結果、十分な勃起が得られるのです。その時に必要な要素は、脳からの勃起の信号を送る神経系の働きと陰茎の血流量をコントロールする血管系の働きです。
この2つが十分に働くことで、十分な血流が得られ勃起が行われます。しかし、EDになると性的な刺激を受けても勃起せず、一時的に勃起したとして持続しないといった症状が現れるのです。

EDの種類と原因


EDの大まかな症状などについてご紹介しましたが、EDにもいくつか種類があります。それぞれ原因によって種類が分けられ、特徴が大きく異なるためその対処法も異なるのです。
適切な対処法を把握するためにも、ここではEDの種類と原因についてご紹介します。

心因性ED

EDの原因の中でも、精神的な要素が大きく関わって引き起こされるタイプが心因性EDです。体の機能には問題はないのですが、精神的なストレスやパートナーとの関係といった心理的な要因が理由となって発症します。
精神的なものは全く関係ないのではないかと感じる方も多いですが、強いストレスや精神的なダメージを受けると、脳内の神経伝達物質が減少することがわかっています。この神経伝達物質が減少すると情報の伝達が上手く行われず、十分な勃起ができなくなるのです。
先述した神経系の働きが阻害されているということになります。神経系の働きが阻害されていると、十分な勃起ができない以外にも中折れなどの症状も現れる場合もあるでしょう。
また、心因性EDの原因をより詳細に分類すると、現実心因・深層心因の2種類に分けられます。
現実心因とは、パートナーとの関係・女性へのコンプレックス・ED発症のストレス等が代表的です。深層心因は、性行為への不安・幼少期のトラウマなどがあります。このように、精神的なストレスにも非常に種類があるのです。
そのため、些細なことが自分でも気づかないうちにストレスになってEDを患っているケースもあります。心因性EDの特徴としては、20~30代の若年層に増えています。

薬剤性ED

薬剤性EDとは、服用中の薬の副作用によって引き起こされているタイプです。例えば、うつ病などの精神疾患にかかっている場合、薬によって治療を進める場合があります。
それらの薬は、脳の神経伝達に影響することがわかっており、副作用の結果EDの症状が現れる場合があるのです。EDを引き起こす可能性がある薬は、次のようなものが挙げられます。

精神安定剤

抗うつ薬

男性ホルモン抑制剤

降圧剤

睡眠剤

EDの原因としては、加齢による肉体的な能力の低下や先述の精神的なストレスによるものと思われがちです。しかし、服用中の薬の副作用という可能性もあり、これは自分ではわかりづらい原因となります。自己判断せずに医師に相談して原因を追求することが非常に重要です。

器質性ED

器質性EDとは、身体の障害によって物理的に勃起できなくなる状態のことをいいます。具体的な身体の障害とは、血管・神経・内分泌環境などに生じる異常のことです。これらの身体の異常が引き起こされる原因としては次のようなものが挙げられます。

加齢

生活習慣病

手術や事故による血管の損傷

神経障害

加齢による影響は非常に大きいです。動脈硬化や内分泌系機能の低下など様々な機能の低下を招く要因です。年齢を重ねると、血流が悪化する可能性があるため、陰茎に十分な血流が行き届きません。
特に陰茎内の動脈は体内の血管の中で最も細いものであり、動脈硬化の影響を非常に受けやすい傾向です。また、加齢は男性ホルモンの現象も引き起こします。テストステロンと呼ばれる男性ホルモンの現象が起こると、性欲が起こりにくくなりEDへと繋がります。
生活習慣病も大きな原因です。糖尿病・脂質異常症・高血圧など、生活習慣病にかかると血流や男性ホルモンに大きく影響します。また、手術や事故による血管の損傷も、血流に大きく影響します。これらの原因で十分な血流が行われないと、EDを引き起こすことになるのです。
手術によっては勃起神経を温存した手術も施行することが可能な場合もあり、主治医の先生に相談してみましょう。
神経障害は、てんかん・脳卒中・パーキンソン病などによって引き起こされます。これらの病気によって神経障害が発生すると、脳から陰茎へ勃起のための信号が適切に送られないため、EDとなってしまうのです。

混合性ED

混合性EDは心因性EDと器質性EDが複合的に合わさり引き起こされる病気です。EDを引き起こす原因は、1つだけとは限りません。多くの場合、様々な原因が複合的に合わさって影響しあい、EDの症状を発症するのです。そのため、混合性EDの場合、原因の特定が難しく対処にも時間がかかるとされています。

ED改善のために生活習慣を見直そう


EDを発症する原因についてご紹介しましたが、ED改善には日々の生活習慣を見直すことが非常に有効だといわれています。しかし、実際にどのように見直していいのかわからない方も多いでしょう。そこで、ここからはED改善のために生活習慣を見直す方法をご紹介します。。

適度な運動を取り入れる

適度な運動を取り入れることは、すぐに取り掛かれる方法であり、非常に効果が見込めます。血流の悪化を改善することができるため、ED改善にも繋がるでしょう。特に有酸素運動は運動不足解消に効果が高いです。運動内容によってはPC筋やBC筋を鍛えることも可能なので、この筋肉を鍛えると勃起力を向上させられます。

飲酒・食生活を見直す

飲酒や食生活もEDと大きく関係し、これらを改めることでED改善に大きくつながります。酒には神経を抑制する作用があるのです。そのため、脳から陰茎への勃起のための神経伝達が阻害されてしまい、EDを発症してしまいます。
また、過度な飲酒は肝機能の低下を引き起こします。肝機能低下は、男性ホルモン減少・性欲減退などの作用を引き起こすため、ここでもEDに繋がるのです。飲酒を見直すことで症状の改善が見込めるでしょう。
さらに、食生活の見直しができると、より改善に繋がるでしょう。食事にはEDを悪化させてしまうものがあります。それは、高カロリーな食事・塩分の高い食事・高脂肪な食事です。
これらの食事は肥満・糖尿病・高血圧・腎機能低下・脂質異常症など様々な病気を招く可能性があります。これらの病気にかかると血行不良などを招き、EDを悪化させます。そのようなことがないように、食べる量や栄養を調整して食事を見直すことが重要です。
また、魚・野菜・お茶など、血流改善効果のある食べ物を積極的に摂取することも大切です。

適度なストレス発散と睡眠をしっかりとる

適度なストレス発散と睡眠もEDを改善にはかかせません。精神的なストレスを抱えすぎると、脳から陰茎へと上手く神経伝達が行われなくなり、EDへとつながります。
また、心的外傷後ストレス障害などを引き起こすと、EDの発症リスクが高まるともいわれています。そのため、ストレスを適度に発散することは非常に重要なのです。
また、睡眠をしっかりと取ることも大切です。本来睡眠中には、男性ホルモンを集中的に分泌する時間が存在します。しかし、睡眠時無呼吸症候群などのような睡眠障害を患っていたり、慢性的に睡眠不足になっていたりするとこの男性ホルモンが十分に分泌されません。
そのため、EDを発症してしまうのです。特に器質性EDの要因に心当たりがない場合は、心因性EDの可能性が高いため、ストレス発散や十分な睡眠の摂取がED改善に結びつくでしょう。

体質の改善とED治療薬の併用が効果的


生活習慣を見直すことはED治療において非常に重要なことがわかりましたが、体質の改善治療薬の併用も非常に効果的です。体質の改善は、先述したような適度な運動・食生活の見直し・ストレスの発散と睡眠が大きなポイントとなります。
これらを実行に移すことで生活習慣が改善し、次第に体質が改善するでしょう。しかし、体質改善には個人差もあり時間がかかります。
そのため、有効なのが治療薬の併用です。治療薬を併用することで、早く症状の改善に繋がる可能性があります。また、治療薬を使用することで、勃起の維持を身体が記憶して次回からもスムーズに勃起ができるといったメリットもあります。

ED治療薬の種類


ED治療薬の種類は様々です。代表的なものとしてはバイアグラなどがあり、多くの人が聞いたことがあるのではないでしょうか。
バイアグラは世界で始めて製品化された治療薬であり、日本でも一番早く厚生労働省からの承認を得た薬となります。服用後30分~1時間程度で効果を得られ、持続時間は3~5時間程度です。また、バイアグラ以外にも次のような種類があります。

シアリス

ザイデナ

レビトラ

ステンドラ

治療薬の中で、シアリスは効果が現れる時間が1~3時間と遅いものの、持続時間は24~36時間と非常に長時間得られる点が特徴です。ザイデナは服用後30分~1時間程度で効果を得られ、11~13時間の持続時間をもつ薬です。
また、食事の影響を受けにくい点が特徴となります。レビトラは、15~30分と早い時間で効果を得られ、効果時間は5~10時間程度です。さらに治療薬の中では、トップクラスの効果の強さを持っています。
どの治療薬が良いかは、もとめる持続時間など特徴に合わせて選ぶと良いでしょう。その際、自分で選ぶのではなく医師の相談の上で選ぶことが、適切な治療薬選びに繋がります。

EDの治し方に関するよくあるQ&A


治療薬の大まかな効果を解説し、体質の改善と併用することの大切さを把握できました。しかし、EDを実際に治療する際には治療薬以外の治し方について気になる方は多いでしょう。そこで、ここでは治し方に関してよくある質問をご紹介します。

EDを完全に治すことはできますか?

原因である病気の改善や、精神的な原因の改善・自信を回復することができれば完治することも可能です。しかし、原因や症状は個人差があります。完治は不可能ではありませんが、人によっては時間がかかる場合もあるでしょう。
例えば、精神的な原因によるEDの場合、治療薬を服用し続けていると次第に性行為への自信が付いてきます。服用なしでも性行為が可能となることもあるため、時間がかかっても完治は十分可能です。

生活習慣を見直しても改善しない場合は薬での治療しかないのでしょうか?

生活習慣を見直しても改善しない場合はあります。しかし、その場合でも薬の治療しかないわけではありません。専用の医療器具などを付けるといった治療法などもあります。この治療法であれば副作用の心配もないため非常に安心です。しかし、それらの治療方法を行う場合でも、医師の相談の上で行うことが重要です。

ED治療の受診の目安を教えてください

治療の受診の目安は、症状に思い当たるものがあれば早めの受診が良いでしょう。自覚がなく症状が進み、気づいたときにはかなり深刻化している場合もあります。
疲れによるものと考える方も多いですが、先送りにするとさらに悪化を招く可能性も高いです。そのようなことにならないためにも、症状に思い当たるところがあればすぐに医師に相談しましょう。
相談の結果、原因と適切な治療方法を教えてもらえれば、それだけ早期解決できる可能性が高いです。

編集部まとめ


EDは様々な原因によって引き起こされる病気です。しかし、生活習慣を改善したり睡眠を増やしたりと自分で解決する手段はあります。

原因をしっかりと把握して、適切な対処ができれば解決も早いでしょう。また、治療薬の併用も非常に効果的です。

適切な治療薬を併用できれば、症状悪化を防ぎ素早く改善に繋がります。そのためにも、しっかりと原因や自分での治し方などを把握しておきましょう。

参考文献

ED診療ガイドライン(日本製機能学会/日本泌尿器科学会)