スーパー店員が指摘「野菜は野菜室に」がまちがっている理由

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スーパーに並んでいて、毎日の食卓に並ぶ野菜。
買ったら、冷蔵庫の「野菜室」で保管、が常識だが、これは果たして正しいのだろうか。

思えば、野菜について正しい知識を持っている人は案外少ないのかもしれない。しかし、鮮度や保存法、おいしい調理法など、野菜は知れば知るほど奥深い。

■「野菜は野菜室で保存」を卒業しよう

食生活が楽しくなる野菜の知識を授けてくれるのが『野菜売り場の歩き方』(サンマーク出版刊)の著者でスーパー店員の青髪のテツさんだ。

たとえば冒頭の「野菜は野菜室で保管」について、テツさんは「卒業しよう」としている。というのも野菜によって最適な保存温度は違う。なんでもかんでも野菜室に入れるという保管方法をやめれば、野菜はもっと長持ちし、鮮度を保ちやすくなるというのだ。

そもそも、冷蔵庫に入れずに常温(10℃〜15℃)で保存するのに向いている野菜がある。白菜(1玉)、玉ねぎ、トマト、ナス、アボカドなどである。

3℃〜7℃に保たれ、乾燥を防ぐために湿度が90%前後に設定されている「野菜室」に向いている野菜は、玉ねぎ、新玉ねぎ、トマト、ナス、キュウリ、ピーマン、オクラ、ゴーヤ、ズッキーニ、長芋、ゴボウ、レンコンなど。トマトとナス玉ねぎは「常温」と重複しているが、気温が高い夏場は野菜室に、それ以外の時期は常温で、という保管法がいいようだ。アボカドについては、完熟後は野菜室に入れるのが良い。

野菜室より温度が低く、凍る手前の0℃前後のチルド室に入れる野菜もある。キャベツ、白菜(カット)、ブロッコリー、カリフラワーなどである。ただチルド室は野菜が乾燥しやすいため、保存用袋に入れて保存した方がいい。チルド室と同様野菜室よりも温度が低く、チルド室よりは高い冷蔵室に入れるべき野菜はほうれん草、小松菜、レタス、長ネギ、水菜、春菊、アスパラガスなどだそう。こちらも乾燥対策はした方がいい。

「野菜室」と名がついているが、野菜室に入れるべき野菜は案外少ないのである。

■野菜の質を確かめるには「見切り品コーナー」を見よ

近所にスーパーが複数あるなら、「野菜ならここ」「肉ならここ」と使い分けている人は多いはず。鮮度のいい野菜を置いているスーパーを見極めたかったら「見切り品」のコーナーを見るといいのだとか。

見切り品に回されるのは、多くの場合は「鮮度劣化」が原因。このコーナーに「腐った商品」が置かれているなら、通常の野菜売り場には「腐りかけた商品」が置かれていることが多いという。

逆に比較的状態のいい野菜が見切り品に回されているなら、通常コーナーには鮮度のいい野菜が並んでいる可能性が高い。野菜売り場はスーパーの「顔」。ここの品質管理ができていない店舗は、野菜以外の商品の鮮度も良くないケースが多いとテツさんは述べる。

見切り品コーナーをチェックすることは、お店全体の質をチェックすることにもつながるのだ。



野菜の保存法から見分けかた、食費を安く済ませる方法などなど、本書にはスーパー店員だからこそ知っている野菜についての知識と、スーパーの賢い活用法がずらりと並ぶ。

毎日の生活に欠かせないものだからこそ、野菜について知ることは生活の質の向上につながるはずだ。

(新刊JP編集部)

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