借金3400万円の男を「億り人」に化けさせた富豪の金言とは(写真:hqrloveq/PIXTA)

円安相場、仮想通貨、米国株式――。

投資の世界ではさまざまなトレンドが現れては消え、めまぐるしい変化を見せている。

そんな中で、資産構築コンサルタントの戸塚真由子さんは、まったく別の角度から「お金を増やす方法」を提唱している。それは「本物の大富豪」が持っているマインドセットを完全に真似して、「億り人」を目指すというもの。年収800万円の生活を捨てることで自身も億り人になった、その真髄をまとめた『1年で億り人になる』より、抜粋記事をお届けする。

10億円超の資産を築いた彼が地獄へ転落

私は資産構築のコンサルティングをしています。

その生徒さんのなかに、カードローンで3400万円の借金を負った男性Tさんがいました。3000万円超の借金をする人なんて、「きっと普段からだらしない浪費家なのだろう」と思うかもしれません。

いいえ、Tさんはイメージと正反対の、とっても誠実でお金にも真面目な方です。そんな人でも、たったひとつの失敗によりとんでもない地獄を見るのです。

30代後半の男性Tさんは、ブラック企業に勤めていました。

労働時間はなんと、朝7時から夜中の4時まで、21時間勤務。休みも月に3日あるかないかで、月収は手取りで10万円台でした。過酷な労働環境から抜け出そうと思ったTさんは、独立を決意。海外で旅行事業を展開することにしました。この仕事がうまくいき、一時は10億円超えの資産を築きあげることに成功します。

しかし、本題はここから。

彼はそこから、再び地獄へと転落してしまったのです。

仕事で関わっていた人がじつは詐欺師で、Tさんから預かったお金をすべて持って逃げてしまったのです! 恐ろしいことに10億円超えの資産が、たった1週間でゼロに……。

悲痛な心とはお構いなしに、連日お客さんや会ったこともない債権者から「貸した金を返せ!」と取り立てが来るようになりました。

借金返済や生活のために借金は膨らみ、ついにカードローンだけで3400万円以上に達しました。家族を養いながら返済していたので、その頃のTさんの困窮生活はすさまじいものでした。なんと1カ月を、約8000円の生活費で凌いでいたり、毎日の食事を「パン1個」で済ませていたり。パンを半分に割って、朝と夜で半分ずつ食べていたのです。

「資産1500億円の男」が耳打ちした言葉

すべてにおいて自信を喪失したTさんは対人恐怖症になり、事業が好調だった頃の知り合いは誰一人いなくなりました。不眠不休で稼ぐ生活を1年続けた頃、Tさんは決意します。

「もうダメだ。体もボロボロだしこんな生活をやめなければいけない。何かを根本的に変えていかないといけない」

運命の女神は、望んだ人の前にだけ現れるもの。ここから人生が逆転、「億り人」へのサクセスストーリーが始まっていきます。

ある日、知人女性がTさんの様子を心配して声をかけてくれました。彼女はTさんの誠実な人柄を知っていたので、気の毒に感じ、ファンドマネージャーのゴードンを紹介したのです。

ゴードンは12億ドル超え、日本円に直すと1500億円超の資産を持つ、文字どおり「ケタ違いのお金持ち」です。ファンドマネージャーとして一度に動かすお金は、最低でも1億ドル以上。世界10カ国以上に家を持ち、現在はドバイに住んでいます。

ワラにもすがる思いだったT さんは、詐欺や借金のことをすべて正直に話し、ゴードンにこの先、どう生きていけばいいかを尋ねました。するとゴードンは、「本物の資産家」だけが持っている考え方を伝授したのです。

「Tさん、心配はいらない。あなたは必ず復活できる。折角の縁だから一緒にやっていこう。

ただし、ひとつ肝に銘じてほしい。

あなたは“稼ぐ力”を持っているかもしれない。だが、“増やす力”に関しては、全然ダメだ。“稼ぐ”と“増やす”とは、まったく別の能力なのです。むしろあなたは、なまじビジネスで稼げるせいで、時間や労力など自身のリソースをまったく浪費している。これからはその考え方を、完全に捨てること。できますか?」

Tさんは躊躇することなく首を縦に振りました。

そうして一念発起したT さん。ゴードンとの出会いからたった1年半で、借金を全額返済できました。それだけにとどまらず、現在は1.5億円を運用する気鋭の投資家に変身したのです。「億り人」とFIREを同時に達成したわけです。

さらには社会貢献として、自分と同じような多重債務者を救う活動もしています。

「稼ごう」と考えるのは貧者の発想にすぎない

お金を増やすプロであるゴードンは、Tさんにこう教えたのです。

「稼ぐな、集めろ」と。

大富豪と私たちとでは、「お金を増やすための発想」がまったく違います。

一般的に言われている資産構築では、お金を「稼ぐ→増やす」という順番になっています。まずは元手を稼ぎ、それを投資によって増やしていくのが一般的でしょう。

しかし大富豪は、そうは考えません。

「どうやって元手を稼ごうか」なんて1ミリも考えていない。

そうではなく、「どうやって元手を集めようか」「どうやって借りようか」と考えるのです。つまり、資産構築は「集める(稼がない)→増やす」という順番になるわけです。

私はこれまで、「億り人」と呼ばれるケタ違いのお金持ち100人以上とさまざまに交流してきました。さきほどの登場したゴードン以外にも、たとえば、世界をまたにかけて活躍するホテル王のジェイコブ。誰もが名前を知っている外食チェーンのCEO。現在、投資の奥義を教わっている数億ドルの資産を持つ師匠のオリバーなど。

残念ながら実名は書けませんが、彼らと接するうちに、たびたび目撃してきたのです。こうした、私たちとまるで世界観の異なる「大富豪マインド」というものに。それぞれ違いはあれど、お金を増やすために「まず大きなお金を集める(借りる)」という行動は、共通しています。

資産構築して「億り人」になりたい人は、元手となる資金を「まず稼ぐ」という発想を捨てることが必要です。そうではなく、「まず集める」という意識を持つこと。そのマインドチェンジができた瞬間に、「億り人」とFIRE達成への道が始まると私は考えています。

一方で、会社の経営者として成功し、お金持ちになった人は、次のように「稼ぐ→増やす」の順序を追っている方がほとんどです。

「 働く→⊃佑鮓曚辰篤いてもらう→資金を調達し会社を大きくする→こ主として投資家になる→ダ長させたビジネスを売る」

「投資家」と「経営者」は別物

これもお金持ちになるためのひとつの方法ですが、実業ビジネスの成功率は低いですし、それでは資産構築の成功までに何十年かかるかわかりません。

「投資家」と「経営者」は、別物なのです。

起業をする能力、実業ビジネスを成功させる能力、会社を経営できる能力、それらは誰にでも備わっているものではありません。

投資によって「億り人」になる秘訣は、「稼ぐ」をマインドから消し去ること。

そして、集めたり借りたりする「大富豪マインド」により、最初から大きなお金を持つことに尽きます。その後、無駄遣いを徹底的に排除し、詐欺には引っかからないように注意する必要があります。投資初期から大きなお金を使って、減らないように運用することが肝心です。


不動産のデベロッパーとして知られた、ある地元の資産家が言っていました。

「信用力を高めるために、お金があったとしても、私は犲擽皚瓩鬚靴泙后たとえば100億円自分が持っていたとしても、100億円の借金をするのです。安い金利で借りられるし、信用を積み重ねるともっと借りられるようになりますから」

つまり、「億り人」と呼ばれる大富豪や資産家たちは、「大きなお金を持っているほうが人生は有利に働くこと」を知っているわけです。これが、私たちの常識とは別の世界で起こっている、もうひとつの現実です。

「稼ぐな、集めろ」

投資家ゴードンの言葉を胸に刻むことが、「億り人」への一歩となるでしょう。

(戸塚 真由子 : 株式会社MAYUKOness代表取締役社長、資産構築コンサルタント/禁労コンサルタント)