XFN-ASIAによると、OPEC(石油輸出国機構)は10日、声明を発表し、その中で、英石油大手BPがアラスカ油田の操業を一時停止する決定をしたことで、原油供給不足が懸念されることに関し、「いくつかのOPEC加盟国は、必要と判断すれば、製油所向けに原油を迅速に追加供給できる」との考えを明らかにした。

  OPEC原油価格の指標であるOPEC原油バスケット価格(11油種で構成)は8日、BP油田の操業一時停止を受けて、1週間前に比べて1.5ドル高い1バレル=72.64ドルまで上昇、高値を更新した。OPECは「残念ながら、BP油田の操業停止によって、さまざまな環境変化が原油価格を押し上げていることが分かった」と指摘。その上で、6月のOPEC首脳会議(ベネズエラ・カラカス)で明らかにした「市場の不均衡を是正するすべての努力をする用意がある」との考えを改めて強調した。

  また、OPECは「(BP油田の操業一時停止のような)事件が発生しても原油価格が不安定にならないよう市場により強い安心感を定着させるため」関係各方面に対し、一層の協力を求めている。【了】

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