XFN-ASIAによると、英石油大手BPのパイプラインの腐食・原油漏れに伴うアラスカ油田の操業停止をめぐり、同社の信用格付けへの影響が注目されているが、米信用格付け大手のS&P(スタンダード・アンド・プアーズ)は10日、操業停止が数週間にとどまり、原油供給に大きな影響が出ない限り、BPの信用度が大幅に格下げになることはないとの見方を明らかにした。

  ただし、S&Pは、BPが大幅格下げの危機に直面しないためには、BPのアラスカ油田から米西海岸にある製油所への原油供給が激減することなく、また、同時に、BPが類似の事故の再発を防止する能力があることを示すことが必要だとしている。

  BPのアラスカ産原油は、ほぼ全量がカリフォルニアやワシントン、アラスカの西海岸諸州とハワイにある製油所に供給されている。このため、BPの操業停止で、これら西海岸の製油所が最も被害を受けると見られている。BPからの供給カットを補うにしても、近隣に油田はなく、遠方から相当の時間をかけ調達しなければならいという。

  S&Pのアナリスト、ジョン・シロフ氏は、「原油供給減への応急対策としては、南米油田から調達することが考えられるが、問題は、南米産原油はほとんどが長期契約で供給されており、スポット市場で手当てするにしても、供給が逼迫(ひっぱく)している」と指摘する。【了】