公園の噴水で遊ぶワニの“ウォーリー”(画像は『WallytheAlligator 2022年8月27日付TikTok「Wally loved spending the day in Love Park, Philadelphia !!」』のスクリーンショット)

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アメリカのある公園の噴水で遊ぶワニの動画がSNSで話題となっている。このワニは動物園から脱走したわけでもなく、獲物を探しているわけでもない。リードにつながれたワニは、飼い主のジョセフ・ヘニーさん(Joseph Henney、69)と一緒に散歩していたのだ。ヘニーさんは、ワニはペットの“ウォーリー(Wally、8)”でセラピーアニマルとして公認されていると説明した。『Ouest-France』などが伝えている。

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米ペンシルベニア州フィラデルフィアにある公園「ラブ・パーク」で現地時間8月26日、ヘニーさんは友人やその子どもたちと一緒にワニの“ウォーリー”をリードにつないで散歩した。その様子は撮影され、75,000人以上のフォロワーを持つウォーリーのTikTokアカウントに投稿すると、再生回数は13万4,000回に上った。

公園にいた人々も、噴水の中にワニがいるという珍しい光景を撮影していた。またTwitterではあるユーザーの「これは訓練ではありません。ラブ・パークにセラピーワニがいます」という投稿が注目を集め、177,000件以上の「いいね」を獲得している。

ウォーリーの散歩姿には「ウォーリーはかわいいけど、ある日突然キレて人に危害を与えないか、ちょっと怖い」、「フィラデルフィアに恐竜がいる!」、「ウォーリーを見かけたら、嬉しくて死んじゃうかも」といったコメントがあがった。

30年間爬虫類のレスキューに携わってきたヘニーさんは、2015年に当時生後14か月のウォーリーに出会った。ペンシルベニア州出身の彼のもとに、フロリダ州の友人から「池の近くで見つけた3匹のワニを預かってくれないか」という電話が入り、以前から暇さえあれば爬虫類の世話をしていたヘニーさんは快く引き受けたそうだ。実際にペンシルベニア州ではワニを飼うことが法律で認められている。

通常であればヘニーさんは爬虫類を引き取って自宅で世話をした後は、保護区や動物園で新しい里親を探すそうだ。その後、一緒に保護した2匹はニューヨークの保護施設に送ったものの、ウォーリーは飼うことにしたのである。

というのもウォーリーは他のワニとは違っていたからだ。このことに気がついたのは食事を与えていた時で、ウォーリーは決して人間を噛もうとはしなかった。「ウォーリーは、私が過去30年間に扱ったどのワニとも全く異なり、怒りや攻撃性を示すことはなかった」とヘニーさんは明かす。またウォーリーは肉よりもチーズポップコーンに興味があるそうで、ヘニーさんは「ウォーリーは好奇心旺盛な子犬のように、家中どこにでもついてくるんですよ」と語っている。

しかしワニは人間を襲う危険な肉食動物である。2022年7月18日付の『BFM TV』が伝えたところによると、フロリダ州では1948年から2021年の間にワニによる襲撃が442件発生し、26人が死亡しているという。

だがヘニーさんは、ウォーリーについて「私が知っている中で唯一噛むことを拒否するワニです!」と断言する。ウォーリーは完全に飼いならされたワニで、夜にはベッドに躊躇なく上がり「枕や毛布まで盗んでいく」そうだ。

現在のウォーリーは体長180センチ以上あるが、このワニに親しみを感じているのはヘニーさんだけではない。ウォーリーと一緒に歩いていると、通行人の中には他のペットと同じように迷わずウォーリーに近づき、抱きしめてくれる人もいるほどだという。

ヘニーさんは「ウォーリーと一緒にいると安心する」と話しているが、ウォーリーをセラピーアニマルとして申請したのは、自身がうつ病になった時だった。2017年にヘニーさんは複数の家族を亡くしてしまった。心の支えを必要としていたヘニーさんは、ワニのウォーリーにそれを見出したのだ。ウォーリーがそばにいることで、なんとか笑顔になることができたという。その後は前立腺がんを患ったヘニーさんだが、ウォーリーにずいぶん助けられたそうだ。

主治医はウォーリーがヘニーさんの精神的な支えになっていることを知り、ワニをセラピーアニマルとして登録することを提案した。ヘニーさんが提示したセラピーアニマルの登録証によると、ウォーリーは2018年にアメリカのセラピーアニマルの登録を行う団体「US Service Animals」によって正式に資格を与えられた。

セラピーアニマルについての情報を提供しているサイト『Animal de soutien』では「セラピーアニマルとは、飼い主を慰める存在です。ADHD(注意欠陥・多動性障害)、うつ病、不安障害など精神的な問題を抱えた人のニーズに応えることができます。人を落ち着かす、社会的な関係を助ける、安らぎをもたらす、エネルギーを循環させるのを助けるなど様々な効果があります」と説明している。

なお『New York Post』によると、ワニのウォーリーはアメリカで開催中のペットの人気コンテスト「America’s Favorite Pet Animal Kingdom」のオンライン投票でチンチラ、犬、ムスタング馬をおさえて、現在首位に立っているという。

画像は『WallytheAlligator 2022年8月27日付TikTok「Wally loved spending the day in Love Park, Philadelphia !!」』『Wally Gator 2022年5月6日付Instagram「When life hands you lemons」、2022年7月1日付Instagram』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 H.R.)