「秋バテ」ってご存知ですか?「予備軍」といわれる人々の特徴と予防法について
「秋バテ」という言葉をご存知ですか?夏によく耳にする、夏の暑さによる体調不良を引き起こす「夏バテ」という言葉があるように、秋にも体調不良を引き起こす「秋バテ」というものがあります。
今回は、予防医学マイスターであり、予防医学士の坂田武士先生に、「秋バテ」について、症状や原因、さらには対処法についてお話を聞きました。
まず初回の今回は、秋バテの代表的な症状と、その原因についてお伝えします。
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Q.そもそも、秋バテとは、どのようなものでしょうか?
A.秋バテは、夏バテの後遺症のようなものです。夏バテを起こしてしまった人や、夏バテ気味だった人が、それをリカバリーせずにそのまま引きずってしまい、季節の変わり目もあり急激な気候変動などが影響して、秋バテになってしまいます。
Q.秋バテの原因や、それによって引き起こされる症状はどのようなものがありますか?
A.まずは、夏の暑さがゆえに、冷たいものを食べたり飲んだりしてしまったり、食欲不振から食べやすい麺類などばかりを摂取して、炭水化物ばかりの片寄った食事をする。そこから付随して、胃腸が弱ってしまい、消化の能力が落ちてしまうことが挙げられます。
炭水化物に偏った食事に関しては、その時は糖質を摂取しているので、乗りきることができますが、結局のところ、タンパク質不足になってしまいます。
タンパク質は筋肉の原材料でもあるので、徐々に体力が落ちていってしまいます。
それが秋にも引きずってしまい、一気に疲労や倦怠感に繋がってしまうことが多いです。
また、タンパク質は、ホルモンや神経伝達物質の原材料でもあるんです。
例えば、アドレナリンやドーパミン。セロトニンやメラトニン、GABAという、メンタルに影響する神経伝達物質の原材料でもあります。
そのため、元気や、やる気が徐々になくなってしまったり、幸福感や睡眠の質が浅くなったり、休んでも体力が回復しないなど、メンタルの不調が起こってしまい、自律神経が乱れてしまうことにも繋がってしまいます。
気温の変化や夏場の食事法などの問題もあり、秋バテに関しては自律神経の乱れを起こす方が多い印象です。
Q.他にも、懸念される原因などはありますか?
A.夏は汗をかく機会が多いため、摂取したビタミンやミネラルがほかの季節に比べて体外へ失われがちです。一方で、夏場は、食事が炭水化物のみなど、単純なものに片寄ってしまい、それらの栄養素の摂取が減る傾向にあります。
なので、秋バテを避けたい場合はタンパク質、ビタミン・ミネラルの欠乏を補うような食事法とともに、少しでも不調を感じたら、早めのケアをおすすめします。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。
坂田 武士
一般社団法人日本予防医学マイスター協会 代表理事
株式会社サムライフ 代表取締役
昭和大学薬学部薬学科を卒業後、薬剤師免許を取得。大手製薬会社勤務や特別養護老人ホームの施設長などを経て、予防医学やエイジングケアの重要性を感じ、2009年株式会社サムライフを設立。2019年一般社団法人日本予防医学マイスター協会を設立し、全国で予防医学の資格認定を発行している。薬をすすめない薬剤師として、これまでに1万人以上の独自のオーダーメイド予防医学カウンセリングを行う。筋肉を維持して脂肪だけを落とす「オプティマムファスティング(R)」は、健康・美容業界のプロの間で広がり、便秘外来や整形外科のクリニックやエステサロン、プロスポーツ選手などにも取り入れられている。この方法を記した著者「4日間で脂肪だけをキレイに落とす本」(学研プラス)が好評を博す。
<保持資格>
薬剤師、予防医学マイスター(R)、予防医学士(R)、オプティマムファスティングコーディネーター(R)、スポーツファーマシスト