テネシー大学のベン・ジョイス【写真:Getty Images】

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テネシー大のベン・ジョイスはドラフトでエンゼルスから3位指名を受けた

 テネシー大学の最速105.5マイル(約169.8キロ)を誇り、MLBドラフトでエンゼルスから3巡目、全体89位で指名されたベン・ジョイス投手。米スポーツ専門メディア「ジ・アスレチック」は「ベン・ジョイスは史上最速の球を投げたがっている」として右腕の野望を紹介した。

 2020年にトミー・ジョン手術を受けたジョイス。手術前は最速100(約160.9キロ)マイルだったというが、リハビリでウエートトレーニングやバンドを使ったルーティンを行い、ブルペンでの投球再開後に速球は102マイル(約164.2キロ)超をマークした。

 MLB史上、計測された中で最速の球はアロルディス・チャップマンの105.8マイル(約170.3キロ)。105.5マイルをマークしたジョイスは「(チャップマンの世界最速に迫る球を投げるなんて)考えただけでクレイジーだった。努力が報われたと思ったよ」と喜んだが、この1球で名前は一気に広がり、“最速右腕”としてすでに伝説をつくり始めている。

 チームを助けることが目標としつつ、“人類最速”についても「それは僕の個人的な目標だと思う。(史上最高球速を)追い求めることで、野球そのものも刺激していくことになる。記録を破るために力を尽くすことも同様にね」と意欲を見せた。

 ジョイスはエンゼルスと契約する意向を見せているそうで、傘下マイナーを速いペースで昇格することを思い描いている。最終的な結論には至っていないが、エンゼルスは手術前のようにジョイスを先発に戻す可能性も残しているという。「自分はただ、体を極限まで追い込み続けているだけ。自分を追い込む。そうしたら、もしかしたら今よりもう少し威力のある球が投げられるかもしれない」。大きな可能性を秘めたジョイスが、チャップマンの記録を更新する日は来るのだろうか。(Full-Count編集部)