乗ればスクリーンに飛び込んだ気分! ムービースター感が味わえる「名画」の「名車」5選
この記事をまとめると
■アニメや映画といった映像には個性的なクルマが多く登場し話題になることがある
■主人公が乗っているクルマは世界中に多くのファンがおり、愛されている傾向が強い
■人気のあまり、現代版にリメイクされたクルマもある
映画の主人公気分を味わえる名車を一挙紹介
美しい古都を優雅に走り抜ける、ロングヘアの美女とオープンカー。はたまた、悪党と壮絶なカーチェイスを繰り広げる、小粋なスポーティカー。映画を観ていると、印象的なシーンにはじつに多くの魅力的なクルマたちが登場しますよね。とくに往年のヨーロッパ車は記憶に残るものが多いように感じます。ボディは小さくてもしっかり主張するデザインや、どこか懐の大きなキャラクター、憎めない愛らしさがあるクルマが多いからでしょうか。今回はそんな、乗れば気分は映画の主人公! な欧州コンパクトカーたちをご紹介したいと思います。
まずは、ルパン3世の愛車としても有名なフィアット500。じつはルパンに登場するのは2代目にあたるモデルで、初代となるのは500トポリーノという大きな鼻のようなグリルが可愛らしいクルマなんです。
初代は世界的な名作として、オードリー・ヘップバーンの代表作としても知られる映画『ローマの休日』で、石畳の続く街を走るシーンがとってもステキ。束の間の休日を満喫する主人公と、それを追いかけ特ダネにしようとする新聞記者、カメラマン。そのカメラマンの愛車が500トポリーノで、キャンバストップから頭が飛び出している光景もほっこりさせてくれました。
ただ、この500トポリーノを今から手に入れるのは至難の業となってしまうので、やはりおすすめは2代目か現行モデルの500。2代目でもすでに長い歴史があり、リュック・ベッソン監督の映画『グラン・ブルー』のように、サビサビで今にも朽ち果てそうな500もいい味を出しています。小さくて可愛いのに、どこか海辺で生きる男たちの暮らしにも馴染んでしまう、不思議な魅力が500にはありますね。
2台目は、7歳の女の子とその家族が、長い長いドライブを続けながら奮闘し、絆を深めていく映画『リトル・ミス・サンシャイン』に登場する、フォルクスワーゲン・タイプ2。そう、いわゆるワーゲンバスです。
映画に登場するのは黄色いボディに白い屋根、小さな窓がいっぱいついた、オンボロのワーゲンバス。中古車ではブルーやグリーン、赤などいろんなボディカラーがあって、それぞれにホイールやバンパーのカタチなどがちょっとずつ違っているなど、いい雰囲気を出しているものが多くなっています。3列シートの7〜8人乗りが多く、シートはヘッドレストもなくリビングのソファのよう。乗った瞬間から、セコセコした気持ちはどこかへ吹き飛んで、のんびりゆったり走りたくなるクルマです。
1500ccのキャブエンジンのバタバタという音もまた、タイムスリップしたように懐かしさを誘います。映画の中では、家族が力を合わせてワーゲンバスを走らせる光景が印象的なのですが、家族や仲間たちとワイワイ乗るには最高の1台ではないでしょうか。
主人公気分を味わえるだけでなく乗ってても楽しい
3台目は、映画『ミニミニ大作戦』の主人公のように、一攫千金を狙って強盗を企てるギャングの気分になれる(?)新旧のMINI。とくに、赤、青、白のボディカラーにリボンストライプをあしらったデザインなら、雰囲気満点です。
この映画『ミニミニ大作戦』は、まず1969年にマイケル・ケイン主演で公開され、3台のクラシックMINI(MK-1)と、イタリア警察カラーのアルファロメオ・ジュリアが壮絶なカーチェイスを繰り広げるシーンが大きな話題に。階段だって屋上だって、どこでもビュンビュンと駆け抜けて行ってしまうMINIは、もう圧巻のひと言です。
そして2003年には、BMWが手がけるようになった新生MINIを主役に、ハリウッド映画としてリメイク。こちらも元気いっぱいに街中を駆け巡る、ダイナミックなMINIのカーアクションがお腹いっぱい観られます。初代3ドアモデルのクーパーSで、ボンネットにはリボンストライプをあしらえば、気分もアガります。
4台目は、数々の映画で意外にも頼もしく走る姿が描かれ、「ギャップ萌え」してしまうことの多い、シトロエン・2CV。三谷幸喜さんの映画『ザ・マジックアワー』でも、ワケありな集団がホテルに乗り付けるシーンに使われていて、ちょっとカッコいいんですよね。
もともとは、紳士がシルクハットを被ったままでも乗車しやすいようにと、天井の高いユニークなスタイリングになったと言われている2CV。昔の2気筒エンジンなので非力だし、タイヤも小さくて細いのですが、どんなチューニングをしたのか、とんでもないハードな走りで逃走するシーンが話題となったのが、1981年に公開された映画『007/ユア・アイズ・オンリー』でした。
ほっこりするようなたまご色のボディと、無表情で淡々と運転し続ける相棒の女性のギャップもさすがの演出。ぜひこんなふうに2CVを涼しい顔してドライブしてみたいものです。
さて5台目は、プジョーといえば、愉快痛快で観ているコチラまでぶっ飛ばしたくなってきてしまう映画『タクシー』に登場する406が思い浮かびますが、じつはリュック・ベッソン監督の出世作となったと言われている『サブウェイ』には、ホットハッチの火付け役となった205GTIがパリの街を疾走するシーンが描かれています。
威圧感バリバリのメルセデス・ベンツ500SELの追跡をかわしながら、狭い路地をものともせずヒラリヒラリと駆け抜けていく205GTIは、かなりシビレるかっこよさ。日本には1989年から205が輸入されていて、GTIは1.9リッターモデル。205はほかに1.4リッターと1.6リッターモデルもあって、1.4リッターとGTIは5速MTでした。今のコンパクトカーのように安全装備もろくにないし、パワーも小さいけれど、少ないパワーををめいっぱい使って走る楽しさは、この頃のモデルじゃないと味わえないものかもしれないですね。
ということで、乗った瞬間から映画の主人公気分になれること間違いナシ、という欧州コンパクトカーたちをご紹介しました。映画をご覧になったことがない方は、ぜひチェックしてみてくださいね。