※この記事は2014年12月12日にBLOGOSで公開されたものです

12月14日に行われる衆議院総選挙に向けて、各党の政策が発表されている。BLOGOS編集部では、テーマごとに各政党のマニフェストの内容を抜粋してお届けする。各党の政策を比較し、投票時の参考にしてほしい。今回は、「地域振興・道州制」に関する各党の記述を抜粋した。

各党のマニフェストにおける「地域振興・道州制」に関する記述


自民党
<地方が主役の真の地方創生を>
・地方分権改革を進め、地方の財源の安定的な確保を図ります。

・中小企業対策や人口減少対策のために、地方公共団体へのバラマキとならない、自由度の高い地方創生のための交付金を創設し、地域の活性化を図ります。

・消費の喚起と商店街などの地域経済の活性化を図るため、地域商品券の発行等、地方の自主的な取組みを支援する交付金を交付します。

・地方への新たな人の流れを生み出すとともに、人口減少に歯止めをかけるため、必要に応じ税制面でも対応します。また、地域間の財政力格差の是正にも取り組みます。

・「コンパクト+ネットワーク」を軸とした基本戦略を盛り込んだ「国土形成計画」を策定し、成長力を絶えず生み出す国土づくりを進めます。

・地方都市の魅力ある経済・生活圏を形成するため、「コンパクト+ネットワーク」でまちづくりをします。

・都市機能や居住のまちなかへの誘導によるコンパクトシティの形成と、公共交通ネットワークの再構築等ネットワークの活用により、暮らしやすいまちづくりを進めます。

・子育て世帯や高齢者等が安心して健康に暮らせる「スマートウェルネス住宅・シティ」の実現のため、都市再生を進めつつ、子育て施設やケア施設と住宅の併設・近接を推進するとともに、一定の圏域人口を維持し、高次都市機能の強化、集積を図る都市間の連携を推進します。

・将来にわたって農山漁村の生活を維持するため、「小さな拠点」を整備し、地域マネジメント法人(地域の維持、生活サービスの提供を行う法人)を育成します。

<個性豊かで魅力ある地域を>
・過疎地域等において、日常生活に不可欠な施設・機能を歩いて動ける範囲に集めた「小さな拠点」 を活用し、周辺集落とネットワーク等で結び、住民の生活を支えます。

・過疎地域において、基幹集落を中心としたネットワーク化を推進し、日常生活機能の確保や地域産業の振興により定住環境を整備して、集落の活性化を図るなど、地域の厳しい現状を十分に踏まえ、過疎対策を充実します。

・地域への定住を促進し、半島地域の自立的・持続的な発展を図るため、来年3月に法期限を迎える「半島振興法」の期限を延長・内容を拡充し、半島振興対策を強力に推進します。

・修学支援、離島医療対策、介護提供体制の整備、車検負担の軽減、防災対策強化や石油輸送コストのための支援等の離島支援施策の充実に取り組むとともに、奄美振興・小笠原振興の推進を図ります。

・農業(鳥獣被害対策等)、医療、教育、雇用、交通(ITS等)、防災、行政等の分野でICT(情報通信技術)の利活用を推進するとともに、地域からの情報発信を強化し、地 域を活性化します。

・体制が弱い市町村への人材面での支援とともに、格差是正を図るインフラの整備を進めます。

・地域経済を支える基盤として欠かせない道路ネットワークの整備を着実に進めるとともに、地方創生の拠点となる「道の駅」について総合的に支援を行います。

・指定都市の役割を踏まえた地方活性化策を実施するとともに、多様な大都市制度の導入を検討します。

・地方への新しい人の流れを創り出すため、移住・交流を促進します。

・企業の地方への移転を後押しするとともに、大都市から地方に人材が還流するシステムを構築します。

・地方大学が、地域の発展に貢献する人材の育成、研究開発を行うことにより、魅力ある大学に生まれ変わることで、地元の高校生の入学、地元への就職を増やします。

・研究機能の集積化・拠点化等により、世界と伍する地方発のイノベーションの創出、地方で活躍する人材の輩出を実現し、地方のプレミアム化・活性化を進めます。

・地方創生を規制改革により実現し、新たな発展モデルを構築しようとする「やる気のある、志の高い地方自治体」を、国家戦略特区における「地方創生特区」として、早期に指定することにより、地域の新規産業・雇用を創出します。

・自治体を核としたローカル・アベノミクスを推進し、雇用吸収力のある地域密着型企業の全国での立ち上げを支援します。

・民間投資の喚起による成長力強化の実現のため、官民の連携により社会資本の整備・運営・更新を行うための基本法を制定します。

・空港、水道、下水道、道路のコンセッション(民間による運営)事業等、PPP/PFIの積極的な推進を図り、地域における民間事業者の事業機会の創出等地域の活性化を進 めます。

・地域の資源・特性を活かした、農林水産業の活性化、ふるさと名物の販売促進、観光や都市農村交流の拡大等により、地方ににぎわいを取り戻します。

・自治体、地域内外の企業等が持つ情報を共有し、企業の地方への誘致、地域産品の販路開拓を強化します。地方創生のため、地方の「強み」を活かした研究成果を、雇用や新産業創出等へと繋げる科学技術イノベーションを推進します。

・地域経済を支える建設業・運輸業・造船業等の経営基盤の強化と、それを支える人材の確保・育成を推進するとともに、これまで女性の活躍が少なかった自動車関連や建設業 分野において、女性が働きやすい職場環境の整備や業務の魅力発信等を行い、就業者数の大幅増を目指します"
民主党
■一極集中の是正と分権を進め、地方を再生します。

・使いやすい一括交付金を創設し、自治体への権限・財源移譲を推進するために「国・地方関係抜本改革推進法」を制定します。地域の発想に基づく規制改革を推進します。

・エネルギーの地産地消を進め、地域活性化・雇用創出を実現します。
(出典:今こそ、流れを変える時。(※PDF))
維新の党
5.「道州制」は日本改革特区
・中央集権体制から道州制に移行する。国の役割を絞り込み、国の機能強化と地方の自立を実現する。
・国の省庁出先機関は原則廃止、職員(20万人)の地方移管を進める。
・道州制基本法を制定。道州制への移行で広域の都道府県合併を行なう場合、特例的に域内での「条例による法律の上書き」を認める
・消費税を地方税化。地方の自立のための基礎財源と位置づけ、税率設定を地方に任せる
・国が需要額を算定して交付する地方交付税制度(16.9兆円)は廃止。新たな財政調整制度として、調整財源の配分を地方が合議で決める地方共有税を創設する。
・北海道を道州制特区と位置づけた「道州制特区推進法」を他府県の道州制以降にも活用する(平成27年度見直し予定)
・「大阪都構想」はじめ、大都市制度においても地方自治体や住民の発意により多様な制度設計を可能とする。"
(出典:身を切る改革。実のある改革(※PDF))
公明党
7.魅力ある地域づくり
1.「長期ビジョン」と「総合戦略」の策定と着実な実施
2.地域雇用の確保
3.年から地方への移住促進
4.国の行政機能や企業の本社機能の移転促進
5.「コンパクト+ネットワーク」の推進等
6.空き家対策の着実な推進
7.NPO等非営利法人などへの支援

(出典:manifesto2014(※PDF))
次世代の党
8.地方の自治、「自治・分権」による日本型州制度の導入

1.中央集権型国家から地方分権型国家へ
2.日本型州制度への移行(二重行政の解消)、国の役割を外交・安全保障・マクロ経済政策等に絞り込み強化
3.内政は地方・都市の自立的経営に任せる
4.消費税の地方税化と地方共有税制度(新たな財政調整制度)の創設
5.倒産のリスクを負う自治体経営、自治体破綻制度の創設
6.公共施設の維持管理計画を策定

(出典:次世代が希望を持てる日本を)
共産党
1.地方切り捨て政治と道州制に反対し、地域の活性化を支援し地方の再生をはかります
日本共産党は、「集約化」による新たな地方切り捨て政治に反対し、地方が現に取り組んでいる観光開発や地域おこしなどの振興策、雇用創出や住宅リフォーム助成への支援、IターンUターンなど定住促進事業、農林漁業や6次産業化への助成や支援、自然・再生エネルギーの研究・活用など、さまざまな地域活性化策を全力で支援します。

都市部、農村部をとわず、自治体の子育て支援、若者の仕事確保と定住促進への財政支援を実施します。

2.地方交付税制度を守り、地方財源を確保します。
日本共産党は、地方の財源を、地方交付税の拡充などで抜本的に増額して、地方がとくむべき課題に対応することができるよう保障します。「地域の元気創造事業費」など地方交付税制度の変質をもたらす施策を改めます。

合併自治体の多くから政府への要望により、地方交付税の特例措置(「合併算定替」)の終了に伴う新たな財政措置が14年度から一部実現しましたが、政府の責任で必要な財政需要に即した財源を確保します。
(出典:総選挙2014)
生活の党
地域が主役の社会を実現
・行政の権限と財源を地方に大胆に移して、地域のことは地域で決められる仕組みに改めることで、地方の雇用を増やし、地域経済を活発にします。

・予算の組替え、特別会計の抜本改革によって無駄を省き財源を捻出し、年金・医療・介護など国民生活を豊かにするために活用します。

・地方にとって必要な次世代のための公共投資を持続的かつ適正規模で実施します
(出典:生活者本位の国へ(※PDF))
社民党
・大企業優先のアベノミクスによる「地方創生」は、格差拡大と中山間地、小規模町村の切り捨てを加速させかねません。地域における安定雇用の創出とそれを支える自立的な地域循環型産業の構築、子育て支援や医療の充実など地域で安心して暮らすための生活インフラ拡充などを進め、地域から元気・安心・やさしさを再構築します。

・住民が主人公の地域をつくるため、徹底的な権限と財源の自治体への移譲・保障を行い、分権・自治を進めます。

・住民の暮らしを守り、地域の経済を元気にするための地方税財政の充実強化に取り組みます。地方交付税率を引き上げるとともに、歳出特別枠や別枠加算を堅持します。一括交付金を復活させます。

・国民的論議が不十分な「道州制」の導入には反対します。

・中小企業憲章を国会で決議し、中小企業予算・施策を拡充します。異常な円安などに苦しむ中小企業への支援策を強化します。

・「地域再投資法」を制定し、地域金融を円滑にします。"
(出典:平和と福祉はやっぱり社民党)
新党改革
歴史を生かすまちづくり
・地域に残る町並み、古民家を改修、保存したり、地域の歴史文化を現代に生かしたまちづくりを進め、地域の個性が現れる、地域活性化事業を推進していきます。

・その方法として、地域住民が、ワークショップを行い、地域の活性化を進めていくという「コミュニティデザイン」の手法を広め、ハード面ではなく、ソフト面に重点をおいたまちづくりを進めます
(出典:2014年・約束(※PDF))

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