多摩川の首都高横に「新しい橋桁」まもなく登場 すんごくデカい! 大師橋 架替えの全貌
多摩川に架かる首都高K1横羽線の橋を架け替えるため、新しい橋桁の製作が進行中です。それが多摩川まで船で運び込まれ、既存の橋に横付けされるため、車窓からも見えるように。まもなく登場する巨大構造物はどう活用されるのでしょうか。
「高速大師橋」更新工事 橋桁は船で運びます
多摩川に架かる首都高K1横羽線の「高速大師橋」、開通から50年以上を経たこの橋を架け替える工事の準備が進んでいます。まもなく、現在の橋の横に巨大な新しい橋桁が姿を現す見込みです。
架け替えられる高速大師橋(画像:首都高速道路)。
といっても、一般的な橋の架け替え工事のように、現橋の横で新しい橋桁を組み立てるのではありません。別の場所であらかじめ橋桁を組み立て、船で運んでくるのです。首都高速道路によると、2022年春には、その運び込みが行われるといいます。
架け替えられる約300mの橋桁は、3つのブロックに分け、うち2ブロックをIHIの横浜事業所で製作して現場まで運搬、もう1ブロックは運び込んだ橋桁から徐々に延ばすやり方で設置していきます。
工場で製作する2ブロックのうち大きな「中央径間」は長さ約130m、重さ約1900t。もう1径間は約80m、約1300tという巨大なものです。
これらを、3000t吊りクレーン台船にて運び込みます。巨大な台船を通すため、多摩川についても羽田空港付近から現場まで約2kmにわたり川底を掘削する、いわゆる浚渫作業を実施するとのこと。
新しい橋桁を現場で組み立てずに、わざわざ運び込むのは、多摩川の流れを阻害しないため。通常、橋桁を現場で組む際にはベントと呼ばれる仮の柱を何本も立てるそうですが、多摩川では立てられる数が限られるのだそうです。
東京タワー並みの構造物が多摩川にしばらく鎮座 そのあとどうなる?
2ブロックの橋桁を運び込み、もう1ブロックを張り出して設置し、最終的に約300mある1本の橋桁にします。現在の大師橋の横に据え付けられる「東京タワーと同等の長さ・重さ」(首都高速道路)という新しい橋桁は、走行中にも見えることでしょう。
架け替え範囲は約300m(画像:首都高速道路)。
そののち、現在の橋桁と新しい橋桁をそれぞれ上流側にスライドさせて架け替える工事が行われます。この工事は2023年度、約2週間の通行止めを伴って行われる予定で、この間は湾岸線などへの迂回が呼びかけられる見込みです。
架け替えの後は速やかに開通させ、橋の横で旧橋を解体・撤去する工事や、新しい橋の下へメンテナンスのための恒久足場を設置する工事などが行われます。最終的な工事完了は2025年度が予定されています。