「めっちゃ主張してる!」 大型車の「左へ曲がります」アナウンスはなぜ流れる? 外国人も驚く細かな配慮とは
「左へ曲がります」 「バックします」大型車特有のアナウンスの意義
大型車のなかには、走行中に「左へ曲がります」や「バックします、ご注意ください」といったアナウンスが流れることがあります。なぜこのようなアナウンスが流れるのでしょうか。
街中を走行する大型車のなかには、その動作に合わせたアナウンスが流れることがあり、日本に来日した外国人が大型車のアナウンスに驚いたという声もSNSでは見受けられます。
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大型車のアナウンスは、道路交通法や道路運送車両の保安基準などを見てみても、規定はとくに定められておらず、メーカーなどの任意でアナウンス機能が採用されているようです。
ゴミ収集車や緊急車両などを扱う、特装車の架装メーカーの担当者は、こうしたアナウンスを流す理由について、以下のように説明します。
「歩行者や自転車で通行している人に対しての注意喚起のためにアナウンスを流しています。
日本の道路では、クルマは左側通行のため、主に左へ曲がる際に、歩行者や自転車に音声で知らせて注意喚起しています」
右ハンドル車の場合、左後方の死角が大きく、運転者から確認しづらい傾向にあります。
とくに大型車の場合はボディサイズも大きいことから、車両の左側を通行する歩行者や自転車は見えにくく、内輪差により巻き込み事故が起きてしまう事例も見られます。
一方で、死角を完全になくすこと、完璧に周囲を確認することは実質不可能であるため、大型車が安全に走行するためには歩行者や自転車側からの配慮も必要になります。
よって、歩行者や自転車に、周囲の大型車の左折を知らせるために「左へ曲がります、ご注意ください」のアナウンスが流されています。
ちなみに、「バックします、ご注意ください」のアナウンスも流れることがあります。しかし大型車は、バックに関しては「ピーピー」というブザーを採用している車両が多いため、バックのアナウンスを聞く機会は比較的少ないかもしれません。
また、「右へ曲がります、ご注意ください」のアナウンスも、右後方は運転席から比較的確認しやすいことから、左折時のアナウンスよりは流れていることが少ないようです。
なお、こうしたトラックのアナウンスは、架装メーカーが顧客の依頼を受けて装置を取り付けることが一般的になっているようですが、なかには製造の段階で組み込まれているものもあるようです。
歩行者や自転車など、交通の安全のために流れている「左へ曲がります、ご注意ください」のアナウンス。耳にしたら周囲の状況を確認し、大型車の死角に入り込んでしまわないよう、協力することが重要かもしれません。
最近の大型車のアナウンスに見られる配慮とは
このように周囲の安全のために流される大型車のアナウンスですが、SNSを見てみると、「うちの子はトラックのアナウンスが聞こえると喜んで窓に張り付いてる」「安全のためかな? わかりやすくて良いよね」という肯定的な声が挙げられています。
ただ、その一方で「家の近くが大通りだからトラックのアナウンスが多くてうるさい」「うちのペットがトラックのアナウンスを嫌がってて困る」といった声も見られ、なかには「迷惑」と受け取っている人もいるようです。
そんな大型車のアナウンスですが、前出の担当者によると、最近では以前までは見られなかった、ある配慮がおこなわれているようです。
「最近では、夜間走行中に近隣住民に配慮するため、ヘッドライトをつけると自動的にアナウンス音が小さくなったり、流れないようにしたりしている特装車もあります」(特装車の架装メーカーの担当者)
車両によって異なるようですが、このように適宜音量を変えたり、運転者の手動でアナウンスをオフに切り替えたりすることもできるようです。
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SNSを見てみると、「左へ曲がります、ご注意ください」を「左へ曲がります、50円ください」や、「バックします」を「ガッツ石松」というように間違えて認識していたという人も多く、ユニークな聞き間違いも話題となっています。