色温度とは、光の色をK(ケルビン)という熱力学の温度を示す数値で表すもので、温度が高くなるにつれてオレンジ色から白、水色、と変化していきます。それをふまえて、「無限に熱いもの」を考えた時にはどのような色になるのか?という考察について数理科学の研究プロジェクトThe Azimuth Projectが公式ブログで解説しています。

The Color of Infinite Temperature | Azimuth

https://johncarlosbaez.wordpress.com/2022/01/16/the-color-of-infinite-temperature/

金属を高温で熱すると、赤やオレンジに光って見えるようになります。また、光をほぼ完全に吸収して反射しない黒体というものを想定したとき、ある温度において黒体が放射する光の波長が色として出てくることになり、それは高温になるにつれて赤からオレンジ、黄色、白と変化し、さらに高温になると水色から濃い青になるとのこと。



by Hołek

この光を分析したスペクトルは、レイリー・ジーンズの法則に基づくとされます。この法則は、黒点が熱くなればなるほど近似値として正確なものとなるため、「無限に熱くした黒点」の色も予測できるとのこと。また、この法則によると色が温度に依存するのではなく、明るさが温度に依存して見え方に変化が起きています。



さらに、色の見え方には単純な物理学だけではなく、人間の知覚も関係します。パリの国立高等電気通信学校で講師を務めたデビッド・マドア氏によると、レイリー・ジーンズの法則に対する人間の目の反応を解明することで、Windows環境でも基準となっているsRGBの色空間で想定の色温度を示すことができるそうです。

以上をふまえると、「無限に熱いものの色」はsRGBで(148,177,255)と示される以下のような色に近くなります。この色は恒星が超新星爆発して形成される典型的な中性子星の色であり、初期の宇宙の色でもあると解説されています。