Pixel 6の「Magic Eraser」にフェイク悪用のリスクが! 「SNS映え」が 簡単に狙える便利さに潜む問題とは

写真拡大 (全3枚)

●Pixel 6シリーズの新機能「Magic Eraser」の懸念とリスク
Googleが2021年11月に発売した新型スマートフォン「Pixel 6」および「Pixel 6 Pro」は、AIを活用した独自アプリの搭載が大きな特徴となっています。

・写真の不要な部分を一瞬で消す画像処理技術「Magic Eraser」
・音声認識による自動翻訳機能「Live Translate」

いずれの機能もこれまでのスマートフォンの活用方法を、さらに一歩進めたものです。

しかし一方で、その活用方法のリスクも懸念されています。

とくに危険性を指摘されているのはMagic Eraserです。
この機能のどういった部分がリスクにつながるのでしょうか。


画期的な画像編集機能だが、使い方を間違えると大変なことに



●簡単に使えるからこそ気をつけなければいけない
Magic Eraserでもっとも懸念されているのは、フェイクニュースへの悪用です。

Magic Eraserは、撮った写真に写り込んだ不要な背景や人物を、簡単なエリア選択のみで一瞬で消去することができるという機能です。

このMagic Eraser機能は、日常利用であれば非常に便利で美しい写真を作成できます。
しかし、その便利さゆえに誰でもフェイクニュースの元となる画像を作れてしまうというリスクがあります。

これまでもフォトショップのような画像編集アプリを用いれば、そうした加工はできましたが、それなりにコストや技術が必要でした。

しかしMagic Eraser機能は、
・スマートフォンに標準で入っている無料アプリでできる
・操作が非常に簡単
・カメラ機能からすぐに使える

こういったメリットと、スマートフォンならではのSNSとの親和性の高さから、
故意や悪意がなくとも「ウソの写真」を広めてしまう危険性があるのです。


そこにいたはずの人物や監視カメラなどを消せてしまうのは便利だが、使い方を誤ると大問題になる


さらに「いたはずの人物を消せる」という技術は、いじめなどにも繋がりやすいものです。

LINEやFacebookといったSNSでは、しばしば閉鎖的なコミュニティでのいじめが問題となります。
そういった場所で「悪用しやすい」という点には、十分な注意と配慮が必要です。


●誰もが楽しむために忘れてはならない「モラルとリテラシー」
Magic Eraserの悪用を防ぐ方法は1つしかありません。

利用者本人が正しいモラルとリテラシーを持つことです。

・加工した写真は誤解を生まないだろうか
・誰かを消すことでその人や周囲の人間を傷つけないだろうか
そういったことを常に意識しながらSNSへのアップロードを行うことが大切です。

技術は正しく使ってこそ、便利で素晴らしいものとなり、
我々の生活を豊かに、楽しくしてくれます。
美しい景色や素晴らしい時間を写真に残し、人々と共有することはとても良いことです。

Pixel 6シリーズとMagic Eraserを利用する際は、これらのことを少し思い出しながら楽しく利用して下さい。




執筆 秋吉 健