2021年3月、185系電車が40年の歴史を経て定期運行を終了。その後どのようにこの1年を過ごしてきたのでしょうか。

3月の引退後も精力的に運転

 2021年3月13日、国鉄時代に登場したJR東日本の特急形電車「185系」が定期運転を終了しました。
 
 伊豆方面に向かう特急「踊り子」の車両として 1981(昭和56)年から40年間活躍。一方で、「湘南ライナー」として、通勤客の足としても使用されるなど、ふたつの顔を持つ新しいコンセプトで設計された電車でもありました。


2021年3月に定期列車としての運行を終えた185系電車(画像:伊豆急行)。

 特急「踊り子」は185系からE257系2000・2500番台にバトンタッチ。E257系は2001(平成13)年に運行開始し、中央本線の特急「あずさ」「かいじ」で使用された0番台と2004(平成16)年に千葉地区の特急「わかしお」「さざなみ」で運行を開始した500番台を転用したもの。もとをたどればこちらもデビューからはや20年目となるベテランです。

 では、185系は今後どうなるのでしょうか。定期運行の列車は無くなりましたが、残っている車両がすべて廃車になるという公式発表はなく、今のところ臨時列車として時々姿を現すという状態になっています。

 一般向け臨時列車としては5月に快速「あしかが大藤まつり号」として両毛線の桐生駅へ。6月には快速「鎌倉あじさい号」で青梅〜鎌倉間を往復。7月には快速「谷川岳山開き号」として上野〜土合間を往復しました。

 またツアー列車としても活躍し、9月には「ぐるっと北総水郷185」が運行。千葉駅を出発すると、貨物線の「新金線」を通って常磐線に入り、成田線・鹿島線・総武本線・東金線・外房線を経由して千葉駅に戻るというルートでした。さらに11月には東京〜館山〜蘇我間(房総半島を一周)でも運行。年明け2月にも両毛方面や房総方面への運行が予定されています。

 なお、インターネット上では、大宮総合車両センターにて、185系の先頭部のみ(カットモデル)が目撃されたという情報があり、「鉄道博物館にて保存されるのか?」といった期待の声も。なお、大宮総合車両センターに確認したところ「現時点でお伝えできることはございません」とのことでした。