これ原付!? ホンダ「マグナ」50cc&250cc 小さなゴツめのアメリカンバイク
バイクブームな昨今、250cc以下の小型バイクが注目されています。なかでもホンダ「レブル250」が女性からの支持も得て好調ですが、かつて同様のアメリカンスタイルで50ccまでラインアップされていたホンダのバイクが「マグナ」です。
ホンダのアメリカンといえば…? 小さいほうのマグナを振り返る
昨今はバイクブーム、特に小型バイクが人気です。全国軽自動車協会連合会によると、2021年度上半期(4〜9月)の軽二輪車新車販売台数は4万6326台で3年連続のプラス。特に人気の車種となっているホンダ「レブル250」は、2020年の販売台数が1万台を超えるなど、ベストセラーを記録しています。
レブル250は、アメリカンなクルーザースタイルを小型バイクに落とし込んだ姿が人気のひとつとなっていますが、かつてホンダでは、250ccのほか50cc原付までラインアップされていたアメリカンなシリーズがありました。それが「マグナ」です。
マグナ50(画像:ホンダ)。
マグナで最初に登場したのは、1982(昭和57)年に発売された排気量750ccの水冷V型4気筒エンジンを搭載した「VF750マグナ」。その後、デザインはそのままにスケール感だけ小さくした250ccと50ccのラインナップも加わり、特にこれら小型の2モデルは、その排気量に見合わない本格的なアメリカンスタイルが人気となります。当時、ホンダには原付アメリカン「ジャズ」もありましたが、のちに50ccクラスのアメリカンは「マグナ50」だけとなり、その存在感はより際立っていました。
小型バイクが人気の今、今回はその250ccと50ccのマグナを振り返ってみます。
存在感すごかった「小さなマグナ」
まずは250ccモデルの「V-ツインマグナ」。1994(平成6)年に登場し、当時のホンダによる「軽二輪車の概念を越えた存在感溢れる堂々としたプロポーション」との表現に違わず、そのフォルムは250ccとは思えない本格的なアメリカンモデルでした。
性能も本格的で、エンジンはスポーツバイクのVT250シリーズと同じものを使用。ちなみに、VT250シリーズはホンダで初めて250ccクラス初となる水冷V型2気筒のいわゆる「Vツインエンジン」を搭載し、レース車両としても活躍したバイクです。そのような250ccエンジンは最高出力27馬力を発揮、それを積んだ小さなマグナは普通自動二輪免許、いわゆる「中免」で乗ることができるアメリカンモデルでした。
250ccのV-ツインマグナ(画像:ホンダ)。
加えて、アメリカンらしさを際立たせていたのが、車体の右側に出た2本のメガフォンマフラー。これがホンダ「スティード」や、ヤマハ「ドラッグスター」などといった400ccクラスのアメリカンモデルと比べても引けを取らないフォルムを生み出しています。
「V-ツインマグナ」は2007(平成19)年の排出ガス規制強化で生産終了となりますが、それまでの13年のあいだは、ハザードランプを装備するなどの細かいモデルチェンジがあったくらいで、その姿をほとんど変えていません。それほど、完成された小型アメリカンモデルの一台だったのです。
「スーパーカブ」のエンジン積んだアメリカンバイク
そして、50ccクラスの「マグナ50(フィフティー)」は、250ccクラスの「V-ツインマグナ」が登場した翌年、1995(平成7)年に発売されました。こちらも当時のホンダは「原付の概念を超える存在感あふれる本格的なカスタムスポーツバイク」と表現。「野性がある。プライドがある。」というキャッチコピーと共に売り出されました。
エンジンはカブ系やモンキーなどと同じ排気量49ccの空冷4ストローク単気筒を搭載。さらに、耐久レースのために開発され、CB750Fなどにも搭載されたホンダ独自の「コムスターホイール」が用いられた最後の一台でもありました。
50ccのアメリカンだったジャズ。1986年発売(画像:ホンダ)。
発売当時は「ジャズ」とともにホンダの50ccアメリカンとしてラインナップされ、「ジャズ」が終了した2000(平成12)年以降は、ホンダ唯一の50ccアメリカンとして君臨し続けます。「マグナ50」も兄弟モデルの「V-ツインマグナ」と同様、2007(平成19)年に生産が終了するまで、登場からほとんど姿を変えることはありませんでした。
小型バイクがブームで、懐かしの名車リバイバルも相次ぐ昨今。マグナシリーズの復活も期待してしまいます。