KDDI総合研究所は11月25日、五感の再現・表現技術を活用して遠くの人と気持ちがつながるインタラクションを実現するハプティクス(触覚技術)分野の研究開発の一環として、「身振り手振り」「あいづち」「肩や背中をなでる」といった相手と共感や一体感を生み出す身体的コミュニケーションが可能なソファ型コミュニケーションシステム「Sync Sofa(シンクソファ)」を開発したと発表した。

「Sync Sofa」はディスプレイ、カメラ、スピーカー、マイクロホン、振動アクチュエーター、加速度センサーを搭載し、遠隔の相手の等身大映像と音声の伝送に加え、相手の動作や反応によって生じる音と振動を伝送してリアルに表現する。

具体的には、ソファに搭載した複数の加速度センサーとマイクロホンからの信号をもとに、相手の動作や反応を表現する複雑で微細な触感をリアルタイムに合成し、複数の振動アクチュエーターにより音と連動した形で体の広範囲に提示する。さらに、自身の視点位置に応じた相手の見え方をディスプレイ上に忠実に再現する。これらの触覚・聴覚・視覚の再現により、相手と隣り合う感覚を提供する。

「Sync Sofa」の仕組み


同研究所はこれまで、遠隔での懇親の体験価値をより高める目的から、遠くにいる人と「乾杯」や「お酌」といった食事中の身体的コミュニケーションが可能なグラス型コミュニケーションシステム「Sync Glass(シンクグラス)」を開発し、技術検証を進めてきた。