山田孝之

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 6月24日から世界同時配信がスタートしたNetflixオリジナルドラマ『全裸監督シーズン2』が、前作に続きヒットしている。

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「実在のAV監督である村西とおる氏の半生を描いたドラマで、Netflix側は宣伝費に10億円以上かけるほどの力の入れよう。主演の山田孝之さんも村西さんの体形に近づけるために増量するなど、'19年配信のシーズン1から並々ならぬ情熱で臨んでいます」(映画ライター)

 山田と同じく作品上で存在感を放っていたのは、森田望智だろう。

「物語の重要人物であり、村西監督と実際に恋愛関係にあったセクシー女優・黒木香さんの役を演じています。森田さん自身が“『全裸監督』の前はあまり仕事がなかったので、本当にガラリと環境が変わりました”と話すほど、人生を一変させる作品となりました」(同・映画ライター)

山田孝之が提案したこと

 森田が演じた黒木は1980年代の後半に活躍した、“セクシータレント”の先駆けともいえる存在だった。

「横浜国立大学在学中に村西監督作のアダルトビデオでデビュー。丁寧な言葉づかいで卑猥なワードを連発したり、処理しない脇毛を大胆に披露するパフォーマンスなど個性的なキャラクターで、絶大な人気を博しました」(スポーツ紙記者)

 村西と出会い、人気者になった黒木だが、後に悲劇が待っていた。

「多忙により大学に通えなくなり、除籍に。村西さんとは長年恋愛関係にありましたが、それが終わると引退。そしてその後ホテルから転落するという事故に遭います。酒に酔って……ということでしたが、当時のメディアの多くは“自殺未遂”と騒ぎ立てました」(同・スポーツ紙記者)

 もうひとりの主役ともいえる森田の存在感を高めるため、山田は本作への出演にあたって、演出サイドにひとつの提案をしていた。

「ドラマの終盤に、ノーベル文学賞も受賞したボブ・ディランの名曲『ライク・ア・ローリング・ストーン』を使用することを熱望したといいます」(芸能プロ関係者)

 なぜ、ボブ・ディランの曲で物語を締めたかったのか。

「『ライク・ア・ローリング・ストーン』は、歌詞に《良い学校を卒業したんだってね。でもあんたはおだてられていただけさ》《皆言ってただろ「気をつけなお嬢さん、今に痛い目みるぞ」って。そんなのはからかっているだけだと思ってただろ》などとあるように、上流階級の女性が落ちぶれる様子を歌っています」(音楽ライター)

 山田はこの曲に、黒木の半生と物語を重ねていたのだ。

「大ヒットとなった前作は村西監督の“成功”が描かれた。しかし、シーズン2は事業拡大による失敗など、彼の周囲も含めた“転落”が描かれています。山田さんはボブ・ディランの歌と作品の世界観がマッチすることに気づいて、絶対に使ったほうがいいと強くプレゼン。その熱意が実を結び、見事彼の意見が採用されたといいます」(前出・芸能プロ関係者)

“転がる石”の物語は、山田の粋な選曲で幕を閉じた。